他メーカーに続きSUBARUディーラーにも統合の動き! 儲からない上に人手不足で色濃く残る「昭和の売り方」はもはや限界か
昭和の売り方はもう限界
そして1980年代後半、日本がバブル経済を迎えるとまだまだ新車の新規需要(初めて買う)も多く、好景気に沸くなか新車が売れに売れ、新車ディーラーはまさに稼ぎまくることとなった。バブル経済崩壊後、なんとかもちこたえていまに至っているが、ここ最近は新車販売業は「儲からない仕事」ともいわれるようになり、バブル経済期のような華やかさはすっかり失っているように見える。 儲かるのか儲からないのかの話のほかに、最近では慢性的な「働き手不足」もご多聞に漏れず顕在化してきている。地域をまたいで販売会社を一本化する動きはスバルだけではなく、すでにホンダやマツダ、三菱などでも進めている。販売会社の統合は在庫も含む受発注管理の共有による効率化や、間接部門の集約によるコスト低減など、新車ディーラーがスリムな形で経営できる環境作りに効果を発揮するものとされている。 「新車ディーラー個々もさまざまなコスト削減を進めてきましたが、ここへきて収まらないインフレなどもあり、ますます経営環境は悪化してきています。そのなか、労働集約型産業ともいえる新車販売業では、コスト削減のために人件費に手を付けるところも出てきているようです。複雑な基準を設けることで、セールスマージンが一切払われなくなったという話も聞いています。現場のセールスマンは心の病も含め、休職も目立つとも聞いています。ただでさえ働き手不足のなか、多忙を理由に離職の目立つメカニックも多く、マンパワーは圧倒的に不足してきているようです」とは事情通。 ディーラーの経営統合などは、とかくネガティブなことのように見えてしまう。ただ、現状の販売環境に対応させるための「軌道修正」と考えれば、ポジティブな動きにも見える。とりあえず、1980年代スタイルが色濃く残る現在の販売スタイルに限界がきているのは、さまざまな面で確かなのかもしれない。
小林敦志