能登半島地震を乗り越え、輪島塗をつなぐ職人たちに「Nスぺ」が密着
1月12日にNHK総合で放送する「NHKスペシャル」(午後9:00)では、「椀(わん)をつなぐ 輪島塗 職人たちの歳月」をおくる。国の重要無形文化財・輪島塗は、高級感のある“一生もの”として、国内だけでなく世界を魅了してきたが、能登半島地震で、職人や工房が被災。多くの職人が輪島を離れてしまうという窮地に立たされている。
石川県輪島市に住む蒔絵師・北濱幸作さんは、この道50年を超える熟練の職人だ。地震で家も工房も被災したが、病で亡くなった妻・裕美子さんとの思い出が残るこの地で輪島塗を作り続けたいと、自宅の車庫を即席の工房に改造。震災後すぐに輪島塗復活に動き出した。震災後、初めて舞い込んだ注文は、桜模様の椀だった。
北濱さんは、輪島から避難していた職人たちにも声を掛け、仲間とともに制作に乗り出す。夫が下地塗りをし、妻が研ぎを行う夫婦職人、最後に磨き上げる呂色(ろいろ)の職人…。職人たちの輪島塗再興に向けた挑戦が始まった。しかし、軌道に乗り始めたかに見えた北濱さんたちに、次々と苦難が。9月には能登半島を豪雨が襲い、作品はなんとか救出したものの、工房は床上浸水の被害を受けてしまった…。
被災した冬、ともに立ち上がった職人を失った夏、記録的豪雨の秋…。日本の原風景広がる能登半島で、600年の歴史を持つ輪島塗の心と技をつなぐ、職人と家族の物語をおくる。