バド五十嵐「もっと強く」 全日本女子複準V、結成4カ月
結成わずか4カ月ながらも、持ち味を発揮した。30日に行われたバドミントンの全日本総合選手権大会女子ダブルスで準優勝した五十嵐(旧姓東野)有紗(BIPROGY、福島県富岡高卒)、桜本絢子(ヨネックス)組。パリ五輪後の新たな道で、2028年ロサンゼルス五輪に向けた確かな一歩を刻んだ。 決勝の相手はパリ五輪銅メダルの志田千陽、松山奈未(再春館製薬所)組。積極的に攻撃を仕掛けてきた相手にペースを握られ、第1ゲームは5ー21で先取された。巻き返そうと迎えた第2ゲームで、五十嵐は威力のあるスマッシュを次々に決め序盤で連続6得点。ラリーの場面では桜本と声をかけ合い、コート隅までシャトルを追った。だが、五十嵐が「完成形のペア」と評する熟練の相手に及ばず、試合を終えた。 「シダマツペア」には11月の熊本マスターズジャパン2回戦に続く敗戦。「終始相手に打ち込まれた。前回と同じ負け方をしてしまった」と桜本は振り返る。しかし、手応えもあった。五十嵐は「(ネットに平行に打つ)ドライブの展開から点を奪えたり、相手を大きく動かす展開にもできた。後は決め切るところが今後の課題」と語った。 パリ五輪の混合ダブルスで2大会連続の銅メダルを獲得した渡辺勇大(BIPROGY、富岡高卒)とのペアを解消し、新たなスタートを切った五十嵐。「まだ女子ダブルスでの作戦の考え方が甘い」と新しい形での戦い方を模索している。 ロス五輪を目指すペアは、「サクガシ」の愛称で浸透しつつある。「女子(ダブルス)に転向してもっと強くなりたいと思うようになった。来年は大会ごとに結果を残してランキングを上げたい」と五十嵐。新たな夢に向けた物語は始まったばかりだ。(江藤すず)
福島民友新聞社