広島市、三セク経営改革を検討へ 地下街開発と駅南口開発の統合可能性も
広島市の第三セクターの広島地下街開発と広島駅南口開発を巡り、市が経営改革に向けた検討を10月に始めることが24日、分かった。それぞれ紙屋町地下街シャレオ(中区)、再開発ビル「エールエールA館」(南区)を運営。組織再編などを想定しており、両社の経営統合の可能性を含め「ゼロベース」で考える。2025年6月に具体策をまとめる。 複数の関係者によると、経営改革の検討内容は、収支構造と財務体質の改善策▽組織・人員体制の見直し案▽市の支援策―など。24年度内に必要な予算を確保し、専門のコンサルタント会社を活用する。具体策をまとめて25年7月から取り組み、26年度末までに成果を出すという。 市は広島広域都市圏で200万人超の人口維持を掲げ、持続可能な公共交通システムの構築などに取り組んでいる。シャレオは広島バスセンターやアストラムライン駅、A館はJR広島駅に近く、いずれも路面電車が行き交う交通結節点にあり、街の活性化へ両社の機動的な事業運営が一層必要になるとみている。 地下街開発の24年3月期の単独決算は売上高9億4200万円で、純損益は4年連続で赤字だった。南口開発の同期は売上高16億6600万円で10年ぶりの赤字。市の局長級経験者が務めてきた社長ポストに初めて民間からJR西日本出身者を起用し、25年春開業の新広島駅ビルとの連携を強化する。
中国新聞社