埼玉王者・正智深谷、8年ぶり全国で初戦突破!! 県予選から5戦連続1点差「粘り強いのが今年の良さ」
[12.29 選手権1回戦 正智深谷高 2-1 長崎総合科学大附高 NACK] 第103回全国高校サッカー選手権は29日、1回戦を各地で行い、NACK5スタジアム大宮の第1試合は地元の正智深谷高(埼玉)が長崎総合科学大附高(長崎)を2-1で破った。3度目の挑戦で初勝利を飾った8年前に続いての初戦突破。埼玉県予選3回戦から数えて5試合連続の1点差勝利で、小島時和監督は「粘り強いがあるところが今年の良さ。それをこの初戦、地元の埼玉で大勢の観客に見せられてよかった」と胸を張った。 【写真】「イケメン揃い」「遺伝子を感じる」長友佑都の妻・平愛梨さんが家族写真を公開 夏王者・昌平高など強豪ひしめくの埼玉県予選を8年ぶりに突破した正智深谷と、2年連続10回目の全国出場を果たした長崎総大附の全国初陣。共に4-2-3-1のシステムで臨み、前半は互いにカウンター主体で攻め手を狙っていた。 最初の決定機は前半13分、長崎総大附はFW坂本錠(3年=川崎市立川中島中)が中盤の高い位置から振り向きざまにロングシュートを狙うと、これが正智深谷GK森穂貴(3年=FC CORUJA)の手をかすめてクロスバーに直撃。跳ね返りにもMF松下昊稀(3年=FC佐伯S-play・MINAMI)が飛び込んだが、ダイビングヘッドもGK森に阻まれた。 正智深谷にとっては守護神の大仕事で命拾い。小島監督も「大助かりですよね。あいつのハイボールは安心して見ていました。ファインセーブを連発していたし、GKの活躍がないとこういうトーナメントは勝てない。大したものです」と絶賛を惜しまず、「普段はおとなしくて出しゃばるタイプではないけど、ペナルティエリアでは出しゃばっていいプレーをしてくれる」と笑みを見せた。 その後は正智深谷も徐々に主導権を握り、前半17分にはMF近藤七音(3年=FC多摩ジュニアユース)のミドルシュートが惜しくも左に外れたが、同21分にもカウンターからMF鹿倉颯太(3年=VITORIA KAMUIジュニアユース)がGKマガリェンス・アルナウド(3年=スマイスセレソン)を強襲するシュート。守備でもMF大和田悠主将(3年=坂戸ディプロマッツ)らが良いカバーリングを見せていた。 すると前半37分、正智深谷が「入る予感がしていた」(小島監督)というセットプレーから試合を動かした。右CKのキッカーを務めたのは指揮官が「うちが点を取る時はだいたい鹿倉から」と称するレフティ。インスイングのボールにMF小西聖七(3年=VITORIA KAMUIジュニアユース)がニアサイドで合わせ、ヘディングシュートでネットを揺らした。 だが、長崎総大附もすぐさま追いついた。DF角田碧斗(3年=三股町立三股中)のロングフィードを途中出場FW市川太陽(2年=鈴鹿市立鈴峰中)が収め、坂本、MF宇土尊琉(3年=島原市立有明中)が立て続けに運ぶと、宇土のクロスに市川が反応。オーバーヘッドは空振りとなったが、こぼれ球を拾ったMF高橋駿介(3年=京都JマルカFC COMRADE)が右足で突き刺した。 そのまま1-1でハーフタイムへ。しかし、後半も正智深谷が均衡を破った。やはり起点は鹿倉。後半13分、鹿倉が相手のクリアボールを高い位置で拾い、キックフェイントから縦パスを差し込むと、これを受けたMF吉田匠吾(3年=FC CORUJA)がラストパス。10番の近藤がドリブルで攻め込み、右足で強烈なシュートを放つと、GKアルナウドの手を弾いたボールがゴールに突き刺さった。 その後は長崎総大附がFW竹嶋優(1年=FC佐伯S-play・MINAMI)、DF河野泰良(1年=FC佐伯S-play・MINAMI)ら期待の1年生を投入し、反撃を試みるが、ロングボールの精度を欠いて前進できない。最後は185cmの長身DF島田俐亜武(3年=クラブレジェンド熊谷)を前線に上げ、パワープレーに出るも、そのままタイムアップ。正智深谷が初戦突破を果たした。 2回戦は過去3度の優勝回数を誇る東福岡高(福岡)との対戦が決定。小島監督は「優勝経験のあるプレミアのチームで、なかなか厳しいが、サッカーは実力のあるほうが必ず勝つわけではない。日本代表もW杯でスペイン、ドイツを破ってグループリーグ突破をしているわけで、戦ってみないとわからないものもある。向こうの方が上かもしれないが、チャレンジャー精神で行って、埼玉県代表として勝つということを頑張りたい」と大物撃破に意欲を見せた。