堂本光一「何年後かに帝劇が新しくなったときにも求められるような人でいないといけない」【単独インタビュー(3)】
11月29日をもって24年の歴史に幕を下ろしたKinKi Kidsの堂本光一(45)の主演ミュージカル「Endless SHOCK」を本紙の単独インタビューで振り返る3日間連続の連載企画。最終回は、気になるシリーズの未来について。光一は自身を主役とする「SHOCK」にはピリオドを打つと決めたが、大千秋楽後の会見で「今後にも期待を込めて永遠であってほしい」などと揺れる胸中を吐露していた。果たして〝復活〟はありえるのだろうか―。(江川悠)
光一が今年を「SHOCK」のラストイヤーと決めたのは、ホームグラウンドである帝国劇場が改装工事のため、2025年2月をもって休館することがきっかけだが、理由はそれだけではない。帝劇にさえこだわらなければ、これまで通り梅田芸術劇場や博多座で上演が続けられるからだ。 初演から24年を迎え、主人公コウイチの年齢設定が光一の実年齢にそぐわなくなってきたことや、全公演に全身全霊を注ぐ光一にとって、体力の衰えがパフォーマンス力の低下につながることが許せないこともあるだろう。役目を終えたSHOCKのセットは解体されつつあるという。 「保管するだけでお金がかかっちゃいますから。それは(製作の)東宝さんとしては嫌でしょう。壊せるものはそれから廃棄していってるんだと思います。(第1幕に登場する)赤い車とか。そもそもエンジンが入っていない状態ですけど、廃車になってるかもですね…」 一方で、光一の作品自体への愛情は深く、その灯火(ともしび)を消したくない思惑も見え隠れする。大千秋楽後の会見で「まだまだやれることはあると思う。誰かに受け継いでもらえたらうれしいと思うのと、ファンの方にとったら(後継者は不要という)複雑な思いがあるというのも理解しております」と語っていた。あれから1カ月。心境の変化はあったのだろうか。 「本当に正直分からなくて…。『どうしましょうね?』って書いといてください(笑)。自分で動いていかないと物事は進まない時代になっていると思うんですけど、やっぱり自分としては『求められない限り動かない』という昔のスタイルで来ちゃったタイプの人。だから…あんまりこういうこと言うと反感くらうかな? でも、本当に周り次第ですって言うとすごい投げやりなんだけど、自分次第でもあるんですよね」 つまり、スタッフやファンの後押しがあれば、新たな「SHOCK」の歴史が始まるかもしれない。来年1月11日放送のフジテレビ系音楽番組「SHIONOGI MUSIC FAIR」(土曜午後6時)では、「さよなら帝劇SP」として、光一が主要キャストらとともに「SHOCK」のフィナーレ曲「CONTINUE」を披露する予定で、まだ〝種火〟は消えていないのだ。 一方で、将来生まれ変わった帝劇で、光一を主役とした新たなミュージカルの誕生を期待する声も高い。 「帝劇っていうのは立ちたくても(簡単に)立てるような場所じゃない。いつからか住人みたいな感じで言っていただいてすごくありがたいんですけど、それはとんでもないことで、自分が何年後かに帝劇が新しくなったときにも、求められるような人でいないといけない。新帝劇でも〝住人〟に? そうなったらもちろんうれしいですけどね」 誰よりも現在の帝劇を知り尽くす光一が数年後、新しい帝劇でどんな景色を見せてくれるだろうか。「CONTINUE」の歌詞の通り、〝夢はずっと続く〟はずだ。(終わり)
中日スポーツ