テニスの不正監視機関、国際テニス・インテグリティー・エージェンシーは２０日、３月の薬物検査で２回の陽性反応を示した男子世界ランキング１位ヤニク・シナーについて、不正行為はなかったと結論づけた。米オハイオ州シンシナティで１９日撮影（２０２４年　ロイター/USA TODAY Sports）

［ニューヨーク　２０日　ロイター］ - テニスの不正監視機関、国際テニス・インテグリティー・エージェンシー（ＩＴＩＡ）は２０日、３月の薬物検査で２回の陽性反応を示した男子世界ランキング１位ヤニク・シナー（２３、イタリア）について、不正行為はなかったと結論付けた。 シナーは３月１０日と１８日の検査で禁止薬物クロステボルの陽性反応を示していたが、スタッフによるマッサージなどを通じてクロステボルを摂取したと説明。理学療法士が自身の指の傷にクロステボルを含む市販のスプレーを塗布し、手袋を着用せずにマッサージを行っていたという。 シナーは、理学療法士自身がそのスプレーにクロステボルが含まれていることを知らなかったと弁明。英国を拠点とする独立した非営利団体「スポーツ・レゾリューションズ」が招集した独立裁定委員会は今回、こうした説明を受け入れた。 無実を訴えてきたシナーはソーシャルメディアに「これで、困難で非常に不運だった時期はもう終わったとしたい」と投稿。男子テニスツアーを統括するＡＴＰは「この一件は、選手とその関係者が製品の取り扱いや治療に最大限の注意を払う必要があることを浮き彫りにした」と述べた。