ソフトバンク東浜巨は〝秋の陣〟に不可欠な存在 「その先にチームが勝つ、勝たせるピッチングを」 数字が物語るベテラン右腕のベクトル
◆ウエスタン・リーグ オリックス4―3ソフトバンク(10日、京セラドーム大阪) ソフトバンクの東浜巨投手(34)が、1軍再昇格へ向け〝スタンバイOK〟の好内容を見せた。ウエスタン・オリックス戦で先発すると、5回まで4安打無失点。無四死球でそこまで70球と危なげない内容。6回に味方の失策がきっかけとなって3安打を集中され、3失点(自責2)で6回途中降板となったが「ボール自体はホントに素晴らしかった」と松山秀明2軍監督も絶賛。最終盤の優勝争いからクライマックスシリーズ(CS)、日本シリーズと続く〝その先の戦い〟を見据えるベテラン右腕は、この日を含めた最近4試合の先発マウンドで計23イニングを自責点3、防御率1・17と復調の兆しを見せている。 ■即練習合流!10キロ減量に成功したというオスナ【写真】 初回から最速の146キロをマークするなど、ストレートの走りは上々。2回無死一塁では池田陵真に対し、まず内角へ143キロのストレートで体を起こすと、2球目の139キロ外角カットボールで泳がせて、注文通りの二ゴロ併殺。4回1死から内藤鵬に左翼線突破の二塁打を許すも、続くトーマス、池田をいずれも140キロのシンカーで詰まらせ、内野ゴロ二つで切り抜けた。「内容的にはホントに、全然良かった」と松山2軍監督。ただ惜しまれるのは6回、先頭の大里昂生に遊ゴロを打たせたが、これを遊撃のダウンズが一塁へ悪送球し「あのエラーから始まったので、ちょっとリズムが狂って、かわいそうなところがあった」と松山2軍監督。この無死一塁から3連打を許し、ここで降板となってしまったのは不運だった。 それでも東浜は「そこをカバーするのがピッチャーだし、野球なんで、それができなかったのはチームに申し訳ない。それは1軍、2軍は関係ないんで、自分の中でうまく処理できなかったな、と思います」と反省しきり。味方のミスを、投手が抑えてカバーし合うのがチームプレー。中日を追ってのウエスタン・リーグ2位のファームも優勝争いの真っただ中で「上も下も大事な試合が続く。ああいうところは見せちゃいけないのかな、とは自分では思います」と反省しきり。こうした〝思わぬピンチ〟の場面も、当然ながら1軍のマウンドを想定して、いかに切り抜けるかが、先発投手としての大事な役割だからだ。 それでも5回まで70球と、球数も内容も、そのテンポのよさも問題なく「ボール自体、状態自体は良かったですね。(ストライク)ゾーンで勝負できることはできているんで、最低限のピッチングというところは自分の中でも形的にはつくれている」と東浜。7月10日のオリックス戦(京セラドーム大阪)で先発しながら2回4安打2失点で降板すると、翌11日にファーム降格。その後、ファームでの最初の登板3試合は計15回で自責点8から、ここ4試合は計23回で自責点3と「状態だけはいい」と、はじき出された数字が、きっちりとその復調ぶりを物語っている。 「あとはその先に、チームが勝つ、勝たせるピッチングというところを心がけなきゃいけない。上(1軍)に上がる条件としては、やっぱりそういうところも見られているとは思うので、そこは真摯(しんし)に受け止めて、また頑張ります」 一時期の〝底〟から、調子のベクトルは完全に上向き。2017年に最多勝、一昨年はノーヒットノーラン。数々の実績を誇るベテラン右腕は、重圧がさらに大きくなっていく〝秋の陣〟には不可欠な存在。「どうなるかは分からないですけど、しっかりと準備するだけだと思いますし、(1軍に)呼んでもらえるピッチングをするだけです」と、この〝先〟を見据えた東浜の心意気が、実に頼もしい。 【#OTTOホークス情報】 【おすすめ記事 小久保監督一問一答完全版】 「抜かれていたら僕の采配ミス」と振り返った場面とは―― ▼小久保監督一問一答完全版は下記関連リンクから▼
西日本新聞社