【BCクラシック】ウシュバテソーロの川田将雅を直撃!追い切り後に出たガッツポーズの〝真意〟
[GⅠブリーダーズカップクラシック=2024年11月2日(日本時間3日)3歳上、デルマー競馬場・ダート2000メートル] ブリーダーズCクラシック(11月2日=日本時間3日)に出走するウシュバテソーロ(牡7・高木)が現地30日に追い切られた。デルマー競馬場のダートコース単走で5ハロン65・8秒。この中間は助手を振り落とし“あわや放馬”のアクシデントもあったが、最終調整の手応えはどうだったのか。追い切りを終えた川田将雅騎手に聞いた(聞き手・三嶋まりえ)。 ――今朝の追い切りに乗って 川田 まず、何より無事に終わったことが一番ですね。こっちに来てからも毎日のように話題を提供するくらいですから、無事に終わったことが本当に一番です。 ――高木調教師は馬に前向きさが出てきたと言っていたが… 川田 今日に関しては、ですね。今日は機嫌が良かった。ここ数日いろんなこと(放馬危機など)があったので、それを加味しながら、彼がちゃんと前向きに走れる環境、状況をつくって今日の追い切りをやるというところで、彼にとってプラスに働いてくれて、しっかりと追い切ることができました。 ――追い切り後にはガッツポーズをされた 川田 馬場を出た後に、全部終わってからガッツポーズしましたよ(笑い)。この馬がちゃんと日々を重ねていくことがどれほど大変か。おもしろおかしく切り取れる部分もあるとは思いますけど、関わる人たちは日々真剣に大変な思いをしながら異国の地で調整を続けていますし、彼自身もそうですから。だからこそ、こうやって前向きに追い切りを終えてくれて、みんなホッとしていますし、大きな仕事をひとつ終えた気分です。 ――ウシュバテソーロにとって、昨年の舞台であるサンタアニタ競馬場は出入り口の関係で調整が難しいと聞いた 川田 覚えてしまうんですね。4コーナーと直線に出口が2か所あるので、そこで彼が帰ろうとしてしまう。それが走る気をなくしてしまうきっかけにつながる。 ――その点デルマーは 川田 ドバイやサウジもそうなんですけど、デルマーも2角の引き込み線から馬場に入っていき、周回コースに入れば、出入り口はないですから。周回コースを走っている最中に帰り道はないので、まだ集中できる。そういうところが、彼にとってサンタアニタよりもデルマーの方が合う。調教過程で要らないことを覚えてしまう分、覚えずに済むデルマーの方が競馬でも集中して走れるだろう、ということです。サンタアニタは完全に気持ちが切れましたから。なんせ出口がそこにある。レース中ももう嫌だな、やめたいとなったので。この馬は頭がいい、賢い分、そういう難しさが出てしまうところもあります。 ――この馬は使ってよくなる。体調面については 川田 このクラスの馬は無事にくることが一番。ここが本番ですから。日本テレビ盃に関しては、無事にアメリカに連れていくための調整というところでもある。使ったことで良くなって、アメリカで勝負にいく、というところなので。良くなるのは当然。それを計算しての調整です。 ――川田騎手はデルマーで勝っている。そういう面でも注目が集まる 川田 僕に注目がというより、日本馬がこれだけ来ている。19頭来ていますから。ラヴズ(オンリーユー、21年)が勝ってくれたことで、ブリーダーズCというものも日本馬にとって急激に身近なレースになったと思う。これだけいろんなカテゴリーがあるからこそ、2日で2歳も古馬も含めこれだけのレースを一遍にやるからこそ、たくさんの馬がここに来て、みんなで過ごして、おのおののカテゴリーで戦う。また、デルマーで日本馬が活躍できたら、と思います。
三嶋 まりえ