広島との仮契約の席に着きネクタイを直す敦賀気比高・竹下。左は父の宏志さん

　広島は２６日、育成ドラフト２位指名した敦賀気比高の左腕、竹下海斗投手（１８）と仮契約した。高山、尾形両スカウトが福井県敦賀市のホテルで父の宏志さんを交えて入団交渉し、支度金３１９万円、年俸２５０万円（金額は推定）で合意。竹下は「育成からなので一日でも早く支配下に入れるように、一からがんばっていきたい」と決意を新たにした。 　育成、それも高卒となると時間をかけて成長を促すのが一般的だが、担当の高山スカウトは竹下に「育成だからとか、そういう気持ちは別に持つ必要はない。入ってしまったらみんながライバル。思い切ってやってほしい」と遠慮無用を伝えたという。そして「まず体ができてくる前提で、１年目の後半くらいにゲームで投げられたら」と早期の２軍戦デビューもイメージしていた。 　竹下も「自分としては１年目からしっかり勝負していって、１年でも早く支配下に入って、１軍で活躍できるような選手になりたい」と早い段階から競争の輪に入っていく姿を思い描いた。 　目標として掲げた元巨人の内海哲也（現投手コーチ）ら多くの好投手を輩出してきた敦賀気比。選手が育つ秘訣（ひけつ）を竹下は「厳しい練習を乗り越えてきているから」といい、自身も「いろんなピンチや厳し場面の経験をしてきた」と伝統にならって鍛えられた。普段の練習からきついプレッシャーをかけられてきた左腕。厳しいプロの世界でも案外早く力を発揮できそうだ。