【BCマイル みどころ】大波乱の女王・テンハッピーローズ、2年前の皐月賞馬・ジオグリフの2頭が参戦
アメリカ競馬の祭典、ブリーダーズカップの季節が今年もやってきた。 1984年に開催が始まり、今年も2日間で12のGIレースが行われるという大イベント。 世界の大レースでも屈指とされている高額賞金を懸けて世界各国のスターホースがアメリカに集まっては数々の名勝負を繰り広げてきた。 日本馬は1996年にタイキブリザードがブリーダーズカップクラシックに挑んだのを皮切りに延べ27頭が参戦してきたが、半数以上の15頭が2020年以降に参加するなど近年積極的に遠征を試みている。 2021年にはマルシュロレーヌがブリーダーズカップディスタフ、ラヴズオンリーユーがブリーダーズカップメアターフを制するという快挙を成し遂げている。 今年も19頭もの日本馬が挑戦するが、中でも日本国内で馬券発売がある3レースに出走する馬たちを中心にレースの見どころを紹介しよう。
今年のブリーダーズカップデイを締めくくる最後のレースは日本時間午前8時45分に発走するブリーダーズカップマイル。ここにはいずれもGⅠを制している2頭の日本馬が参戦する。 まずは今年のヴィクトリアマイルで大穴をあけたテンハッピーローズ。ヴィクトリアマイルは単勝208.6倍という超人気薄だったものの、直線で末脚を爆発させて快勝。 大波乱の女王となった。その後このレースへの参戦を早めに表明して、セントウルS7着からの臨戦に。人気薄でのGⅠ勝利だけにどこかフロックでは?と思わせるところがあるのは確かだが、あの末脚の切れは本物。 直線の短さでは函館競馬場以上とも言われるデルマー競馬場でのレースとなるだけに、3角過ぎからどこで動いて行くかという点も注目したい。 そして2年前の皐月賞馬ジオグリフ。今年は中山記念3着から始動して、コンスタントにレースに挑むも勝ち切れず。 しかし、アメリカ遠征前に挑んだ札幌記念では3番手追走から直線でよく伸びて2着に好走。小回りコースへの適性の高さはすでに知られているだけにマイル戦の流れに対応できるなら一発があってもいいだろう。 今年の注目はなんといってもチーム・ゴドルフィンのエース、ノータブルスピーチ。英2000ギニーを制してクラシックホースとなると、7月には古馬相手にサセックスSを楽勝。 末脚勝負が持ち味の馬だけに直線でグングンと伸びてくるシーンが見られるかもしれない。 他にも昨年のブリーダーズカップジュベナイルフィリーズターフで2着に入ったポータフォーチュナもアメリカのタイトなコースに対応している点で強力なライバルとなるだろう。 ■文/福嶌弘
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