替えた直後はよく入る! パターには「ハネムーン期間」があるのをご存知ですか?【長谷部祐とギア問答!#16】
GD マレット型は重心が低く、ネックのあるブレード型は重心が高いと言われますが、重心の高さとの相性ってあるんですか? 長谷部 あります。ロフトを立てる打ち方と、できるだけロフトを維持して打っていくタイプに分かれます。ストロークのタイプが全然違うので、タイガー・ウッズのようにショットの延長で打つタイプは、ブレード(ピン型)のホーゼルのついたものがいいでしょうし、逆に静かにヘッドを滑らせるように打つことが得意な人はマレット型が合うでしょうね。 GD カーボンコンポジットのシャフトが流行っていますけど、このシャフトに関しては何か感じるものはありますか? 長谷部 昔、それこそパターのシャフトってそれほど注目されずに余ったシャフトを使っていた時代があったと聞いています。なんならウッド用のスチールシャフトを切って入れていたという時代もあったと。 ただひとつ言えるのは、 ガチガチの硬いシャフトよりは多少しなりのあるヘッドの重さを感じられるぐらいのしなり感のあるシャフトの方がパターにはいいと思います。 GD スチールシャフトの場合、「ステップあり」と「ステップなし」があって、ステップありの方が硬く、ステップなしの方は全体的にしなり感があると聞きます。 長谷部 品質の安定性から求めると「ステップあり」なのかもしれませんが、「ステップなし」のほうがナチュラルなフィーリングが得られていいのかなという気はしますけどね。硬さの調整、重さの調整ができるという意味ではカーボンの可能性もあるでしょう。
日本人は「33.5インチ」を基準長さにした方がいい?
GD パターに関しては、長さも大事になってくると思うのですが? 多くの人は34インチが基準だと思っているはずです。 長谷部 ライ角と長さのミスマッチも結構多いですね。腕の長いアメリカ人とかは手の位置が低くなりがちなので、ライ角をちょっとフラット目に設定していることが多いと思います。 ただ、PINGのように適正なライ角をフィッティングするようなブランドがあるように、パッティングスタイルとアドレスに合わせて 長さとライ角はちゃんと管理すべきです。市販のパターを切ったり、ライ角を調整したするのは難しいことですが、とても大事なことです。 プロの中にも独特なアドレスをする人がいます。ボールの近く立つ人は、ヒールが上がってしまって、ライ角がフラットな状態になっている人もいます。あえてそうしているらしいのですが、しっかり芯でヒットすることを考えると、自分のアドレスに合ったライ角のものを選ぶべきです。 長さに関しては、33インチと34インチの差は数字以上に大きいので、33.5インチが合う人も大勢いるんじゃないか、そんな気がします。 GD パターの流行、特に女子プロの場合、流行りみたいなものを凄く感じます。ここまでの話のようには選んでいないように思うのですが。 長谷部 選んでいないでしょうね。誰々プロと同じパターが欲しいからオーダーしたいという話をよく聞きます。そんな選び方でいいの? って思うし、ツアーの現場にはパターフィッターがいてアドバイスをしているんですが、プロに対してはコーチではないので、スウィングとかパッティングスタイルまで言及することは難しいですね。 でも、専門家の目から見た時に、「合う、合わない」は絶対にわかっていて、でも渡さざるを得ないだろうなと思うことがあります。そういった時に誰が適切なアドバイスをできるんだろうと思ったこともありました。 GD 流行りのパターでも入らないと判断すれば使わないと思いますが、パターにはビギナーズラックみたいなものが不思議とあるじゃないですか。 長谷部 ありますね。「ハネムーン期間」というのが必ずあって、最初は恐る恐る打っているから、そのパターに合わせた打ち方ができている。それが使い込んでいくうちにだんだん自分の打ち方になってくると、実は合わなかったということはよくあります。使いはじめてすぐに結論が出ないんだと思いますが、ラウンド回数を重ねると合う、合わないがわかってきます。 合わないものは合わないので、本質的に選ぶポイントを変えなきゃいけないことになります。だからラウンド中に人のパター借りて打ったら良かったから、帰りに同じもの買ってみたけど、結果は良くなかったということがあります。 GD 三角形の付いたパターの次にくるのはどんなパターだと思いますか? 長谷部 勝手な私見ですが、大慣性モーメントのブレードタイトと、センターシャフトに注目しています。センターシャフトは打つイメージがつきやすい。このシャフトの延長線で打ちなさいと明確に言っているので、アマチュアでも構いやすいと思います。 ただインパクトの瞬間にフェースが回転しやすいというデメリットがあるとすると、それを防ぐのが大慣性モーメントであり、デカヘッドなので、センターシャフトの芯に当てやすさと、大慣性モーメントのヘッドのブレにくさを上手く融合したものが流行るような気がします。
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