阪神淡路大震災から30年…発災当時の写真でたどる爪痕と記憶 出雲市出身写真家の思い(島根)
山陰中央テレビ
2025年は阪神淡路大震災から30年の節目の年です。震災の記憶を風化させないために、発生当時の被害の様子を収めた写真の展示会が、島根県出雲市で開かれています。 写真家・高嶋敏展さん: 実際は避難所になる体育館なんですけど、体育館の天井が落ちてしまっている。このすぐ横の校舎では、被災者の方が寝ていた、そういう当時状況でしたね。 出雲市斐川町のひかわ図書館で開催中の写真展「伝えたいあの日 阪神淡路大震災から30年」。倒れた電柱の下を通学する学生やがれきを見つめる被災者の様子など、芦屋市の被害状況が分かる写真30枚が展示されています。 写真家・高嶋敏展さん: 今年は阪神大震災から30年、あの事を振り返ってそれを自分のことにしてほしいです。 写真展を企画した出雲市出身の写真家・高嶋敏展さん。震災当時、大学生だった高嶋さんは大阪で被災しました。目にした惨状を記録に残したいと考え、震災発生から1か月後、最大震度7を観測した芦屋市に入り、現場を撮影するとともに被災者や現地のボランティアにインスタントカメラを渡して、2500カットの写真を集めました。 なわとびをする子どもたち。場所は避難所です。笑顔の家族写真、背景は倒壊した自宅です。訪れた人は、地震の生々しい爪あとを記録した写真をじっくりと見つめていました。 訪れた人: この辺でもかなりの揺れだったもんですから、写真みて当時のことを思い出しながら、風化させてはいけないなと改めて思いました。 写真家・高嶋敏展さん: この30年ずっと見ていて思うことは、他人事にしないってことじゃないでしょうか。節目節目でもいいからこういう災害を思い出して、自分のこととして大切な家族を守るという努力を、これを機会に改めて考えてもらえたらと思います。 この写真展は、出雲市のひかわ図書館で、震災が起きた1月17日まで開催しています。
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