<ブギウギ>歌と踊りの習得に1カ月半 笠置シヅ子さんの代表曲「買物ブギ」圧巻パフォーマンスの裏側 趣里の成長「本当に頭が下がる」
俳優の趣里さんがヒロインを務める2023年度後期のNHK連続テレビ小説(朝ドラ)「ブギウギ」(月~土曜午前8時ほか)。第106回(3月1日放送)では、ヒロイン・スズ子(趣里さん)が新曲「買物ブギ」を披露し、さらに磨きがかかった趣里さんの歌声と、華やかなステージが話題となった。この場面での趣里さんの様子や、撮影の裏側について、制作統括の福岡利武さんが語った。 【写真特集】華やかで楽しい! スズ子が歌い踊る「買物ブギ」のステージシーン
◇「買物ブギ」誕生を史実からアレンジした理由
「買物ブギ」(1950年)は、スズ子のモデルとなった笠置シヅ子さんの代表曲の一つで、作曲は羽鳥善一(草なぎ剛さん)のモデルとなった服部良一さん、作詞は服部さんが「村雨まさを」名義で手がけた。上方落語の演目「無い物買い」を参考にしているといい、大阪弁でつづられたユニークな歌詞が印象的だ。
劇中では、スズ子が買い物かごを手にする姿を見た羽鳥が「買物ブギ」をひらめいたが、史実からアレンジした理由について、福岡さんは「『ブギウギ』は生活感をすごく大事にしている作品なので、スズ子の生活感あふれる姿から着想を得たという展開にさせていただいたほうが、面白い『買物ブギ』が見せられるのかなと考えました」と説明する。
「この曲は非常に生活感がある歌で、日本が戦争でものが買えない時代から買える時代になったという喜びを表現する歌でもあると思います。スズ子が買い物姿のままステージに立つというところも含めて、いかにもスズ子の日常的な歌に聞こえたらいいなと思い、そのようにさせていただきました」
◇「スズ子の成長を感じられる」ステージに
そんな「買物ブギ」のステージを振り返り、福岡さんは「とても面白く、すてきなステージでした。『買物ブギ』の撮影が始まると、他の準備をしていたスタッフもステージを見に行くくらい、楽しい歌に仕上がっていました」と語る。
この場面の舞台演出は、これまでのステージシーン同様、宝塚歌劇団やOSK日本歌劇団でも演出を手がけてきた荻田浩一さんが担当した。特にこだわった点を聞くと、福岡さんは「パネルがひっくり返ったり『OSSAN』の文字が出てきたりというのは、荻田さん含めて話し合って考えました。古典的なアイデアなんですけど、古臭さを感じることなく、楽しく見られるよう作り込みました」と明かす。