松本城観覧料が大人1300円 長野県松本市内文化施設が来年4月に観覧料改定へ
長野県松本市は26日、来年4月の改定を目指して検討を進めていた、国宝松本城や旧開智学校校舎など文化施設の新たな観覧料を発表した。松本城は令和2年1月以来5年ぶりの改定で、一般(高校生以上)は現行の700円から紙チケット1300円、電子チケット1200円となる。松本城で待ち時間解消の効果が実証された電子チケットへの完全移行を目指し、各施設で100円安くなる料金を設定した。9月2日開会の市議会9月定例会に条例改正案を提出する。 松本城は、天守の耐震対策やお堀の浄化などに74億円の費用がかかり、うち市が負担する36億円の財源を確保するため値上げに踏み切る。インバウンド(外国人誘客)の増加を背景に全国の城の観覧料の値上げが相次いでおり、ほかの城と合わせる必要があるとも判断した。市民優待(本丸庭園入場無料、70歳以上は全て無料)は継続する。 国宝5城のうち、姫路(現行大人1000円)、犬山(同550円)、松江(同680円)が値上げを検討している。彦根は10月から1000円(同800円)に改定する。 円安で購買力が上がっている外国人客への二重価格については導入しない方針で、臥雲義尚市長は26日の定例記者会見で「おもてなしの面から導入する考えはない」と話した。 11月には、改修を終えて再開館する国宝旧開智学校校舎と松本城の共通券を、電子チケット限定で導入する。来年4月以降は松本城、市立博物館、旧開智学校校舎、市美術館の共通券の導入を検討する。 臥雲市長は「松本城を中核とした四つの文化観光施設へできるだけ多くの人に訪れていただき、回遊性や滞在型の観光につなげていきたい」と話している。
市民タイムス