「純白のメルセデス」が580万円で落札! 当時モノAMGキットを装着した「350SL ロードスター」でも手が届くドリームカーです
世界中のエンスージアストから愛されるR107系SL
こうして誕生したR107系SLは、リチャード・ギア主演の映画『アメリカン・ジゴロ』(1980年公開)や、エディ・マーフィの大ヒット作『ビバリーヒルズ・コップ』(1984年公開)において、豊かで華やかな生活を象徴するアイコン的存在として出演。わが国においても、シンガーソングライター浜田省吾氏の大ヒット曲『Money』(1984年発売)の歌詞に登場する「純白のメルセデス」は、R107系SLを想定していた……というのが定説となっているそうだ。 ところが、安全政策の施行でフル・オープンカーが北米で販売できなくなる……? という疑心暗鬼的な観測が1970~1980年代の自動車界に蔓延したことによって、モデルチェンジの機会を逸してしまったせいか、結果的にR107系SLシリーズはじつに18年という長寿を保ち、新型R129系SLが発表される1989年まで生産されることになる。 そして、エレガントなスタイリングと卓越したエンジニアリングを併せ持つR107系SLは、近年になってクラシックカーとしての評価も爆上がり。世界中のエンスージアストから愛される、真のコレクターズアイテムとなりつつあるようだ。
当時モノのAMGパーツで決めた、70~80年代感横溢の350SL
このほど、ボナムズ「AMG Rediscovered Online」オークションに出品されたメルセデス・ベンツ 350SL ロードスターは、R107生産初年度の希少な初期モデルで、「280SE 3.5」と共通のコンパクトな3.5L V8 200psのエンジンを搭載している。 もともとは左ハンドルのヨーロッパ仕様車で、ボディカラーは白に近いクリームベージュ。同色の取り外し可能な「パゴダ」スタイルのハードトップも取りつけられている。 また、バンパーやサイドスカート、フロントスカート、5本スポークをボディ同色で仕上げた「ペンタ」型AMG純正アロイホイールなど、当時のAMGキットをフルに活用してドレスアップされているのが最大の特徴といえよう。 さらにネイビーブルーのインテリアには、コントラストカラーのパイピングが施された濃紺の本革レザー張りの「レカロCアジャスタブル」スポーツシートを装備。標準のSL用シートよりもサポート性が大幅に向上しているだけでなく、快適性も改善している。 くわえて、当時のAMGの流儀に従ったローダウンスプリングも与えられていることから、時代を超越したR107系SLのスタイリングにアグレッシブなAMGテイストを加えた、1970~1980年代の時代感にあふれるルックスを誇っている。
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