クリックテック、企業内の非構造化データを基に生成AIが回答する「Qlik Answers」の日本語版を提供開始
クリックテック・ジャパン株式会社(クリックテック)は、セルフサービスAIソリューション「Qlik Answers」の日本語版提供を11月19日から始める。英語版はすでに7月から提供しているが、日本語のPDF、メール、Slackでのやり取りを初めとする非構造化データの活用を、日本のクラウド環境にて行えるようになる。 【画像】Qlik 米国本社 CEOのマイク・カポネ氏 米本社のCEOであるマイク・カポネ氏は、「非構造化データが有効な資源であることは明らかだったが、それをうまく活用するソリューションが存在していなかった。Qlik Answersは、非構造化データも構造化データと同様に扱い、データの力を引き出すソリューションだ」とアピール。企業のAI活用に大きなプラスになると強調した。 クリックテックでは、AIを活用したデータ分析とリスク管理のための包括的なソリューション群「Qlik Staige」を提供しているが、カポネCEOは、「Qlik Staigeは、AIを活用するためのエンドトゥエンドのソリューション」とし、「AIに必要なすべての機能を持っている。例えば、さまざまなデータソースから抽出してきたデータをインテグレーションして、抽出してきたデータをAIで活用できるフォーマットに変換する機能などを持っている。さまざまなツール群を備えているが、その最新のツールがQlik Answersになる」とした。 Qlik Answersは、生成AIとQlikのデータ分析機能を組み合わせることで、広範囲にわたる非構造化データのソースから、正確でコンテキストに関連した結果を提供する。このソリューションを利用することにより、ユーザーは、AIを既存のQlikのビジネスインテリジェンス(BI)ワークフローにシームレスに統合できるようになるという。 具体的には、以下のような特徴を持つ。 ・整理されたナレッジベースから適切な回答を提供し、非構造化データの有用性を高める、AIによる回答機能 ・迅速な導入を実現するために、すぐに使えるソリューションを提供し、導入にかかる時間と複雑さを軽減 ・回答が出典元の文書にひもづくことで、信頼性と一貫性を向上させ、完全な説明可能性を確保する透明性 ・Qlikのエンタープライズコネクタを使用して既存のシステムやプラットフォームと統合し、さまざまな非構造化データのソースにアクセスできる、広範囲にわたる接続性 ・ビジネスと意思決定をリアルタイムにサポートし、ユーザーは適切な情報にすばやくアクセスすることが可能となる効率性の向上 ■ AI活用は“長期戦” なおカポネCEOは、「ユーザーと会って話を聞くと、AIに関するテーマが会話のメインとなることが多い。確かにAIには、不正確性による悪影響、どのようにAI活用をスタートすればいいのかわからない、AIに関する規制など不便なことも多い。しかし、今後のビジネスは、AIの成功なくしては実現しないということになっていくだろう」とビジネス成功にAI活用が必須になると指摘した。 さらに、「AI活用を短期的にとらえるのではなく、長期戦でAIに取り組んでいくべきだ。すぐに結果を出そうとしてもうまくいかないことが多い。長期戦で取り組んでいくべきだろう」という点を指摘。顧客の中でAIを活用し、成功している企業を見ると、次の3つの特徴があると述べた。 1)さまざまなやり方を試す、道幅を広げる努力をすること。一つのユースケース、機能、AIモデルに固執するのではなく、さまざまなものを試し、評価し、有効なものを探す努力をするべき 2)社内のデータをAIで利用できるような状態にするなど、いきなりAIを使って走りだすのではなく、まずは歩いて準備を整えておく必要がある。例えば正確な予測が必要であれば、リアルタイムデータを取得する体制を作っておく。関連性のあるデータを使えるようにするために、データを見つけやすい状態にしておくなど、準備を整える 3)何でも簡単にできると考えては駄目で、ステップを飛ばすことなくきちんと取り組んでいく必要がある。AIポリシー、データガバナンス、ガバナンス委員会、ベンダーコントロールなど責任あるAIの枠組みを確立しておく 「こう説明すると、AI利用にストップをかけているように感じるかもしれないが、自動車に例えて考えると、速い車を作るためには高品質なブレーキを用意する必要がある。AIも同様で、きちんとセーフガードを作った上で活用することが実は早道になる」(カポネCEO)。 そして、自社のQlik Staigeに触れ、「我々のポートフォリオは、皆さまのAIの取り組み、戦略実現をお手伝いできる。Qlik Staigeを利用することで、お客さまのイノベーション、AI取り組みの加速化を、安全かつガバナンスを担保した上で推進するお手伝いができる」と述べ、3つのポイントを踏まえたAI導入ができるとアピールした。
クラウド Watch,三浦 優子