犬はどのくらい眠るべき? 年齢や犬種別の適切な睡眠時間
「寝る子は育つ」とはよく言ったものだ。人間と同じく犬も、一日をしっかり過ごして心身の健康を維持するには十分な休息が必要だ。 ただ、犬は自分の疲れ具合をはっきり表現できない。睡眠不足の兆候を見抜き、よい睡眠習慣を促すのは飼い主の役割だ。 そこで、カリフォルニア州サクラメントにあるバンフィールド動物病院の獣医師助手であるタイラー・スミスに、犬の年齢と犬種に応じた推奨睡眠時間や、質のよい睡眠がとれていない場合によく見られる症状について聞いた。 犬はどのくらい眠るべきか? 犬の睡眠時間は、心配性の飼い主にとっては不自然に思えるかもしれないし、心配になるかもしれない。しかし、人間と犬の睡眠パターンは少し違う。 人間が通常、夜通し眠り、昼間は起きているのに対し、犬は睡眠の75%を夜間にとり、残りの25%は昼間にとる。人間の睡眠サイクルは90分で、うち25%がレム睡眠だ。犬の睡眠サイクルは45分と短く、レム睡眠の割合は10%しかない。そのため、犬は睡眠不足を取り戻すために日中の睡眠を必要とする。 犬が必要とする睡眠時間は、年齢、犬種、活動レベルなど、いくつかの要因によっても異なる。 年齢による違い スミスによると、犬が必要とする睡眠時間には年齢が大きく関わるという。 ・子犬(2歳未満):1日16~19時間 ・成犬(2~6歳): ほとんどの成犬は1日9~14時間の睡眠が必要だが、平均11時間程度しかとれないことが多い ・シニア犬(7歳以上): 年齢が上がるにつれて、成犬よりも睡眠時間は長くなる 睡眠は脳の機能と発達に重要な役割を果たすため、子犬は適切な成長を維持するために、成犬よりも長い睡眠をとることが大切だ。また、子犬は平均的な成犬よりもエネルギーを消費するため、より多くの休息が必要になる。シニア犬も長い睡眠を必要とするが、それは日中の活動で疲れた身体を回復させるためだ。 犬種による違い 一般的に、グレート・デーンやジャーマン・シェパードなどの大型犬は、体が大きい分エネルギーの消費も大きいため、小型犬よりも多くの睡眠を必要とする。しかし、小型犬は中型犬よりも睡眠時間が長い傾向にある。専門家は、犬の大きさによって必要な睡眠時間を分けている。 ・小型犬:14~16時間 ・中型犬:10~14時間 ・大型犬:18時間 活発さによる違い スミスによれば、犬の睡眠習慣はその犬の本能と活発さにも左右される。「活動的な犬種や働き者の犬種(使役犬)は、睡眠時間が短い傾向がある。一方、愛玩犬として改良された犬種の睡眠時間は長い傾向がある」