【つるの剛士×杉浦太陽】お父さんたち、気負いすぎてない? ガチガチの完璧主義は、ちょっと待って
「父親としてこうあらねばって、最初はもちろんあったよね」
──そういった行動も、「良い父親でありたい」という前向きな姿勢ゆえと思うのですが、お二人もそのような時期はありましたか? つるの:もちろん、最初はありましたよ! そもそも、役で子どもたちのヒーローを演じていたわけだから、良い父親でありたいと思っていたよね。でも、実際子どもが生まれてみたら全然ダメで、ダメすぎて妻にフラれると思って育休を取ったんだから(笑)。
杉浦:僕も、すごく気負っていましたよ! トップアイドルだった妻が育児に専念すると言っているんだから、自分も良いパパにならなきゃって。 つるの:太陽の家庭は、また特殊だよね。 杉浦:でも、そのプレッシャーに押し潰されて子どものことしか考えられなくなったら、今度は妻とぶつかることが増えたんですよね。結婚3年目まではバチバチにケンカしていましたよ。これじゃだめだと思って、「玄関にプライドを置く」ようにしてからは関係が良くなりました。 つるの:どういうこと? 杉浦:仕事にプライドは要りますけれど、家庭に「父はこうだから」みたいな概念はいらないから、そのプライドを玄関に置いてから、家に入るようにしたんです。それをすることで、包容力を広げることを自分に課していましたね。 つるの:へぇ~! 杉浦:でも、仕事と育児のバランスは、まだまだ悩みまくりですよ。妻が本格的に仕事復帰したらまた変化するだろうし、でもそもそも変化するものとして、その時々に向き合っていったらいいのかなって思っています。
変化して当たり前。「想像できないこと」を楽しんでいきたい
──順風満帆に見えるお二人ですが、いろいろと試行錯誤されてきたんですね。 つるの:そうですよ、子育てに関して、計算どおりになったことなんてほとんどない(笑)。でも、だから今の自分があるのかなって思います。独身のままだったら、「俺はこういうキャラだから、これはやめておこう」ってもっと頑固だった気がするもん。 もちろん、子どもを育てていくためにいろんな働き方をしなきゃいけなかったということもあるけれど、だからこそ「こっちもいいな」と可能性がどんどん広がっていった。今は、何が起きるかわからないことに、ワクワクするもんね。 杉浦:大変なことも多いけれど、「いつでも変われる」っていいですよね。僕の場合は、妻が子育てする中でどんどん変化していった姿を見られたから、自分も変化していこうって思えたのかも。最初こそ同級生のママたちとどう接していいか迷ったみたいだけれど、今はママ友も多いし、地元のお祭りにも行くし、子どもの学校の空き缶踏みにも朝早くから行っていますからね(笑)。 つるの:それ、わかるな。僕と結婚したことによって妻のライフスタイルがガラッと変わったわけで、それまで築き上げたものを壊してしまうんじゃないかって申し訳なくなったことがあるんだよね。その時に、「子どもがいるからこそできるキャリアもあると思うんだよね」って話をした。変化していくことはかっこいいなって思えたから、変化が怖くなくなったのかもしれないな。 (聞き手/文:飯室佐世子 写真:テラケイコ)