【毎日書評】10年後になくなる仕事、生き残る仕事…どんな人なら必要とされるのか?
「成功する変人」を目指せ
現時点での結論として著者が考える“AI時代を生き抜き、これから成功していける人物像”は、ずばり「変人」だそう。 自分の好きなことを突き詰められる人。好きな気持ちを継続できる人。もしもその 内容が、今後、世間の求めているものに合致しているのだとしたら、「大成功する変人」になれるかもしれません。(247ページより) 嫌な思いをしていわれた作業をこなし、時間と引き換えに給料を受け取るような働き方は、遅かれ早かれなくなるということ。そのあとで「時代の犠牲になった」「マトリックスの養分になった」と考えるか、「嫌な思いをしてまで働かなくていい時代が来た」「行きたい人生を求めてもいい時代が来た、しかもマイナーな内容ほどチャンスがある」と考えるかの違いだけで、これからの人生は大きく変わってくるというのです。 戦後の日本が復興する過程においては、たくさんのルールや常識がつくられ、人々はその範疇で生きるようになりました。はみ出すことが得策ではなく、同じ競争科目のなかで高得点、高パフォーマンスを出すことをみんなが目指してきたわけです。 しかし農業や工場が自動化され、携帯電話やパソコンが生まれ、インターネットやスマホが普及するなど、世の中は急速に変わっていきました。そしてそれに次ぐAIの登場と発展は、これまでのすべての変化を凌駕するインパクトを持っています。だからこそ、著者は次のように主張するのです。 戦争直後のように、食うに困る、ということはないにせよ、私たちは「焼け野原に放り出された」というくらいの心構えでいて、思いきって「変人」になってしまうくらいがちょうどいいのではないかと思います。(248ページより) なぜなら、誰もが自由に“したいこと”を追いかけている社会のほうが、全体としては人間の英知を最大化できるはずだから。そういう意味でも、いままで人力でやっていた仕事(作業)は、AIに任せてしまったほうがいいということ。それは「恐るべき時代」ではなく、「楽しい未来」に向けた考え方なのだということです。(247ページより) この先、AIが重要な社会インフラとしてどれだけ普及していったとしても、「AIをどう使うか」「AIになにをさせるか」は使う側である人間の判断に委ねられます。 だからこそ、少子高齢化のような問題を解決しつつ、やりたくない仕事を代わりになってもらうようなかたちで、AIを「いいとこ取り」していけばいい。そうした考え方に基づく本書は、これからの時代を生きていくうえでの重要な指針となってくれることでしょう。 >>Kindle unlimited、2万冊以上が楽しめる読み放題を体験! 「毎日書評」をもっと読む>> 「毎日書評」をVoicyで聞く>> Source: アスコム
印南敦史