外食は年間600回以上! マッキー牧元の発掘! 地方の名店~神戸編~
「豚足と平春雨のエスニック風 四川山椒やわらか煮」は、トロトロになった豚足の食感と春雨が同期する中で、山椒がヒリリとアクセントに。
「足赤えびのフライ」は、車えびより強い甘みに惚れ、「トルティーヤのアンチョビと青唐辛子のピザ」の、見事な組み合わせに大笑いした。
最後は、店名の由来となった串カツである。数ある中から、新玉ねぎ、赤ウインナーと青唐辛子、ばさ(牛の肺)を選ぶ。 ばさの串カツは珍しい。でも青唐辛子と赤ウインナー同様に、串カツにする意味が正しくあって、心を震わせるのであった。
ああ「和牛あごすじ富山芋のガーリックソテー」や「ミンク鯨さえずりの酢味噌」「みる貝とつぼみ菜のネギ生姜ソース炒め」も食べたかったなあ。 値段は2人で食べて飲んで、1人約5,000円。 店を出て誰もがこう思うはずである。 「あぁこんな店が近所にあったらな」と。
串ぐし
住所: 兵庫県神戸市灘区琵琶町1-1-24 TEL: 078-822-0706
彦六鮓
夕刻、阪急六甲駅を降りて住宅街へと上っていくと、懐かしい景色があった。 崖下に木造2階屋があり「寿司 彦六 →」と、書かれている。昔は長屋だったという時を重ねた佇まいに息を呑む。 階段を下りて戸を開け「こんばんは」と、声をかけた。 「いらっしゃいませ」と、板場に立つ主人が返す。
年の頃は50代後半だろうか、温和な目をされた方である。 床は三和土、カウンターの上には屋台の面影を伝える小さな庇が設けられている。5席あるカウンターの端に座らせてもらった。 客側のカウンターの奥、つけ台との境には溝がある。昔の寿司屋はこの溝に水を流し、客が指先を洗っていた名残だという。
奥には座敷があり、上がり框に置かれた石は、ここから靴を脱いで上がる場所だということを示している。 「最初は、少し切っていただけますか」 「何を差し上げましょうか」 「平アジの酢締めとなまこ、平目の昆布締めをお願いします」 「はい。かしこまりました」