過去最長158日連続 常駐化、尖閣侵奪図る 中国船航行
第十一管区海上保安本部によると、尖閣諸島(石垣市)周辺の領海外側にある接続水域では27日、中国海警局の艦船4隻が航行している。尖閣周辺で中国艦船が航行するのは昨年12月22日から158日連続となり、2012年9月の日本政府による尖閣諸島国有化後、過去最長となった。 尖閣周辺での中国艦船の連続航行日数は、これまで2021年の157日が最長だった。 台風などの荒天時以外は中国艦船が尖閣周辺に「常駐」する体制が構築され、領海侵入や、周辺を航行する日本漁船への威嚇も常態化している。 中国側は艦船を派遣し、日本漁船の操業を妨害することで尖閣諸島を侵奪し、国際社会に領有権をアピールする狙いがあると見られる。 中国艦船の「常駐」が可能になったのは、船舶の大型化、操船技術の向上なども要因と見られる。中国艦船は通常4隻体制で、うち1隻は機関砲らしきものを搭載する。 日本漁船が周辺を航行した際は、2隻体制で挟み撃ちのように追跡し、接近を試みる行動がパターン化している。巡視船が中国艦船の接近を阻止し、漁業者の安全を確保している。 中国海警局は中国共産党中央軍事委員会の指導・指揮を受ける「武警」の隷下にあり、事実上の軍事組織として「第二海軍」と呼ばれることもある。 林芳正官房長官は27日の記者会見で「(中国艦船の)航行、領海侵入が相次いでいることは極めて深刻」と指摘。常に相手勢力を上回る海保の巡視船を配備し「万全の領海警備体制を確保」していると説明した。「引き続き緊張感をもって尖閣周辺の警戒監視に万全を尽くす」と述べた。 27日、尖閣周辺の接続水域を航行しているのは「海警1301」「海警1401」「海警1102」と、機関砲らしきものを搭載した「海警1305」。