男女2人の遺体が発見された現場。林道から5メートルほどの河川敷で、黒く焦げた木の枝が残っていた=2024年4月18日午前8時55分、栃木県那須町伊王野、小野智美撮影

　栃木県那須町の河川敷で16日、男女2人の焼損した遺体が見つかった事件で、栃木県警と警視庁は21日、埼玉県越谷市花田4丁目、建設業の平山綾拳（りょうけん）容疑者（25）を死体損壊容疑で逮捕し、発表した。認否は明らかにしていない。他に関与した人物がいるとみており、21日に警視庁大崎署に捜査本部を設置して調べる。 【写真】飲食店が立ち並ぶ上野の繁華街=2024年4月18日午後9時10分、東京都台東区上野、平川仁撮影 　捜査本部によると、平山容疑者の逮捕容疑は4月16日未明から朝までの間、那須町の河川敷で会社役員の宝島龍太郎さん（55）=東京都千代田区外神田4丁目=と女性の遺体に火を付け、損壊したというもの。女性は成人とみて、DNA型などから身元の確認を進める。平山容疑者は17日午前6時半ごろ、東京都品川区の五反田駅前の交番に出頭し、栃木県警が任意で聴取を続けていた。 　捜査関係者によると、16日午前0時ごろ、都内の防犯カメラに複数の人物と一緒にいる宝島さんが映っていることが確認された。事件発覚の約3時間前の16日午前4時ごろには、黒っぽいセダンタイプの乗用車が栃木県内で確認され、県警が車を特定して押収。この車は平山容疑者名義で、調べに「自分が車を貸した」という趣旨の供述をしているという。 　宝島さんらの頭部にはビニール製のような袋がかぶせられ、上からテープがまかれていた。死因は2人とも頸部（けいぶ）圧迫による窒息死で、女性の頭部には外傷があり、骨も折れていた。捜査本部は一連の状況から他にも事件に関わった人物がいるとみている。 ■「パパ」と呼ばれ　自転車で店を回る 　宝島さんは東京・上野で焼き肉店や居酒屋を経営していた。そのうち1店の従業員によると、宝島さんは従業員らから「パパ」と呼ばれていた。自ら自転車で経営する店を巡回していたという。 　事件の発覚は16日午前6時50分ごろ。近くを通りかかった人が、山中で煙が上がっているのに気づいた。県警が調べたところ、河川敷に2人の焼損した遺体があり、その後の捜査で1人は宝島さんと判明した。女性はDNA型などから身元の確認を進めている。