サム・アルトマンがOpenAI復帰。新体制で影響力を発揮できるか?
正式に経営陣に復帰! サム・アルトマンが、OpenAIの取締役会に復帰することをThe Informationが報じています。謎の解雇からわずか4カ月で復帰ということになりました。 この突然の解雇によって、700人以上のOpenAI従業員が、「アルトマンを解雇するなら、私たちも辞める」と反乱を起こしたのは記憶に新しいですよね。
騒動の外部調査が終了
OpenAIのブログ投稿によると、法律事務所WilmerHaleによる11月の騒動の調査が終了したとのこと。調査では、サム・アルトマンが取締役会との信頼関係を喪失したことによって解雇されたと結論付けられています。WilmerHaleによると、解雇は製品の安全性、セキュリティ、開発のペース、財務の懸念には起因しなかったということです。
新しい取締役会メンバー
アルトマンと一緒に3人の新しいメンバーが取締役会に加わっています。 ビル・アンド・メリンダ・ゲイツ財団の元CEOであるSue Desmond-Hellmann、ソニー元社長のNicole Seligman、そしてInstacartのCEOであるFidji Simoの3名です。特筆すべきは、この3人の新しいメンバーは全員女性であるということ。全員男性だった取締役会に加わったわけですが、前の取締役会メンバーと比べると、研究分野でのバックグラウンドに欠けているようです。 OpenAIの取締役会には、株主よりも「人類の利益を優先する」という珍しい義務が存在しています。取締役会は、OpenAIが超強力なAIである汎用人工知能(AGI)を達成したときに、最終的な決定を下すことになります。
取締役会の元メンバーは?
これで元通り…というわけではなく、アルトマンが取締役会に復帰するにあたって以前の取締役会との関係が悪化した原因については、まだ未解決の問題が残っています。イリヤ・スツケヴァー、ターシャ・マッコーリー、そしてヘレン・トナーの3名が取締役を辞任しているのです。 The Informationによると、最高科学者兼共同創設者であるイリヤ・スツケヴァーは、この先OpenAIに留まるかどうかを検討しているとのこと。スツケヴァーはここ4カ月ほとんど姿を見せておらず、今週早々に共同執筆したイーロン・マスクへの反論の手紙を除いては、ほとんどその存在を示す情報がありませんでした。 アルトマンの解雇についての推測の1つとしては、アルトマンの7兆ドル(約1000兆円)のチップ構築イニシアティブを含む数多くの副業に関連しているのではないかというものですが、はっきりとはわからないままです。OpenAIの取締役会は、先週潜在的な利益相反を防ぐための新しい方針を発表しています。
岩田リョウコ