巨大古代サケの驚きの顔が明らかに、鼻先から牙がなんと横向きに突出していた、なぜ!?
なぜスパイクが生えていたのか?
当然ながら、古生物学者はスパイクの珍しさから、なぜそのように進化したのか、何に使われていたのかという疑問を抱く。 過去の研究では、成魚のスパイクの一部は摩耗していたことがわかっており、硬い表面とこすれていたことを示唆している。おそらく巣をつくる際、この歯で堆積物を削って動かしていたのだろう。川底に穴を掘ろうとするほかの魚から巣を守るのに役立っていた可能性もある。 一方、クリーソン氏らは防御に使っていたのではないかと考えている。先史時代のサケは、現代のサケと同じように、体を左右に動かしながら泳いでいた。最も強い筋肉はこの動きに使われていたため、横向きのスパイクで捕食者やライバルに一撃を加えることもできたはずだ。 しかし、すべての専門家がそのように考えているわけではない。ウィルソン氏はスパイクを使って営巣地を掘り、オスは産卵期にライバルを威嚇していた可能性を指摘している。 防御のために使っていたか、競争のために使っていたかにかかわらず、スパイクのような歯が恐ろしいものであることは確かだ。 「地質調査に使う1ポンド(約450グラム)のハンマーを研ぎ、200ポンド(約90キロ)の筋肉で振り回す姿を想像してみてください」とクリーソン氏は話す。サーベルのような歯は持っていなかったが、恐ろしい歯だったことに変わりはなかったようだ。
文=Riley Black/訳=米井香織