著名人を演じたハリウッド女優の心境と“再現”方法
この作品では、サッチャー元首相の40年の半生を描いており、メリル・ストリープがその『40年』を見事に表現している。「誰かの40年分の人生を演じるのは難しいことですが、私の年齢になると、常に気分は20歳なので、それほど大変なことではないんです。自分の中のある部分には、16歳、26歳、36歳、46歳、あるいは56歳の自分がまだいるように思える。だから、これまでに経験してきたすべての年代の自分に近づくことができるんです。年を取ることの利点があるとしたら、まさにそれでしょうね。すばらしい体験でしたよ」と振り返っている。 演技での難しさについては、サッチャー氏の独特の話し方を習得することだった。イングランド北部の食料品屋の娘が上流階級に支配された政治の世界に飛び込むということは、サッチャー氏自身のルーツを裏切ってまで喋り方を変える必要があったという。しかし、メリル・ストリープは、ボイスコーチをつけず、自分であらゆるリサーチと準備をし、さまざまな時期のサッチャー氏の記録映像に何時間も耳を傾けて、クセなどを習得したという。 そして、今回公開される『グレース・オブ・モナコ 公妃の切り札』(10月18日公開)でのニコール・キッドマン(グレース・ケリー役)。今回のオファーについて、ニコール・キッドマンは「プレッシャーだとは思わなかったわ。素晴らしいチャンスだと思った。私はキャリアを通して、自分を厳しい状況に置いてくれる作品を探し続けてきたの。これは、まさにそのひとつだった」と、意気に感じるオファーだったという。 他の女優同様に、リサーチは徹底的に行っている。撮影前の5ヶ月間から、グレース・ケリーについての大量の映像や資料を読み、独特の身の振る舞いや訛り、話し方を習得するよう挑戦した。さらにメイクアップアーティストと衣装デザイナーの力を借り、かつての名女優を現代に見事に再現させている。 『グレース・オブ・モナコ 公妃の切り札』 監督:オリヴィエ・ダアン 出演:ニコール・キッドマン/ティム・ロス 配給:ギャガ (C)2014 STONE ANGELS SAS 10月18日(土)TOHOシネマズ有楽座ほか全国公開