同居人は18匹の蛇…愛が高じて移動動物園の園長になっちゃった27歳女性の願いは「命の尊さ伝えたい」
■「かお」 蛇18匹と暮らす移動動物園の代表・西山由紗(にしやま・ゆさ)さん 【写真】〈別カット〉西山由紗さん
鹿児島県薩摩川内市の自宅の一室で9種類18匹の蛇を飼育する。「よく見ると表情があり、感情が動きに出て奥深い。触り心地もいい」と愛情があふれ出る。 同じ室内には亀やミーアキャット、プレーリードッグもいて、ベランダではヤギが鳴く。多くはペットショップなどで売れ残ったのを引き取った動物だ。 多くの人に親しんでもらおうと、昨年5月に移動動物園「みにZOO」を始めた。施設やイベントへの訪問依頼が相次いでいるが、動物への負担を抑えようと週1回に限定。すでに3月まで予約で埋まっている。 同市出身。川内商工高から沖縄の専門学校に進み、動物の飼育管理を学んだ。就職した観光施設では、ハブのショーやジャングルツアーのガイドを担当。好奇心で目を輝かせる子どもがいる一方、生き物をおもちゃのように扱う人もいてショックを受けた。「命と考えていないような人を少しでも減らしたい」 2022年に帰郷。家業を手伝いながら屋内型動物園の開園を目指す中で、まず移動型を始めた。「飼育スタッフとの会話を通じて興味を持ってほしい」と、積極的に客に声をかけるよう心がける。屋内型は今年中のオープンが目標だ。
実は1番好きなのはクジラやイルカだという。水族館で働くことも考えたが、「プールで泳げないから」と陸で奮闘する27歳。巳(み)年にちなみ、5日午後1時半から同市宮内町の「にしやま食品」近くで、蛇の触れ合い会を開く。1人500円。
南日本新聞 | 鹿児島