首都圏で相次ぐ「闇バイト」を実行役にした強盗事件を巡り、栃木県と札幌市でも類似する事件が起きていたことが捜査関係者への取材でわかった。関連が疑われる事件は８月以降、北海道、東京、埼玉、神奈川、千葉、栃木の６都道県で計１７件に達した。事件は凶悪化しており、警察当局は指示役特定に全力を挙げる。

　北海道内で新たに浮上したのは、札幌市豊平区で今月５日未明に発生した強盗致傷事件。捜査関係者によると、７０歳代男性が手足を粘着テープで拘束されてけがを負っており、一連の強盗事件と手口が似ている。

警視庁

　このほか、栃木県芳賀郡の高齢者宅では９月１１日、住居侵入未遂事件が発生。実行役が逮捕されており、秘匿性の高い通信アプリで「織田信長」「明智光秀」「徳川家康」といったアカウントから指示を受けていたことがわかったという。

　「織田信長」のアカウントからは、前日の同１０日深夜～翌１１日未明に東京都練馬区の駐車場で４０歳代男性が車内に監禁された事件でも実行役に指示が出ていた。

　一連の強盗事件では数十人の実行役らが逮捕されたが、互いに面識がなく「闇バイト」に応募して強盗に加担しているとみられる。

　横浜市青葉区では１６日、住宅内で高齢の住人男性が殺害され、現金約２０万円が奪われる強盗殺人事件が発生。千葉県市川市では１７日、住宅から女性が連れ去られる事件も起きた。

　首都圏の４都県警は１８日午後、合同捜査本部を設置し、捜査態勢を強化する。