ゴルフのAI指導アプリ「Mustard Golf」をレビュー
ここ3年というもの、筆者のゴルフは、まるで停電したかのようなパワー不足状態に陥ってきた。ティーショットの飛距離が25ヤード、アイアンショットが10ヤード短くなったのはどうしてなのか、どう考えてもわからない。 年齢と、おそらくは若干の柔軟性を別にすれば、何かが変わったという実感はない。たいていの場合は、いまでもまだ、ボールはまっすぐに飛ぶし、何十年もかけて完璧にしてきた、少しだけ曲がるドローも健在だ。しかし、以前は絶対に私ほど飛ばすことのなかったゴルフ仲間たちが、私よりも飛距離を出すようになっている。 自分としては、その元凶はダウンスイングのどこかにあるのではないかと疑っている――上半身の回転か、頭の動きか、手の安定のどれかではないだろうか。筆者のスイングを知る友人たちに見てもらったが、何が違うのか見極められなかった。そこで、ちょっとしたテクノロジーに助けを求めることにした。 利用したのは、新しいゴルフスイング分析アプリのMustard Golf(マスタード・ゴルフ)だ。このアプリは現在、アップルのApp Storeから入手できる。マスタードはもともと、2年前に野球コーチ・アプリとしてリリースされた。発案者は、著名なピッチングコーチのトム・ハウスだ。 プロゴルファーのジャスティン・ローズは、その他の有名アスリートたちとともに、このアプリにいち早く投資していた。 マスタード・ゴルフは、ゴルフスイングの分析にAIを導入し、個々のユーザーのニーズに応じて具体的な指導をするアプリだ。自分が打つ動画を撮影する(もしくは、スイングしている既存の動画をアプリ外からインポートする)だけで、マスタードがスイングの軌道を分析して成績表を作成し、対処すべき問題に優先順位をつけ、特に目立つ問題点を解決するための練習を提案してくれる。 筆者はゴルフ練習場にはあまり行かないが、週に何回か、自宅の庭でゴルフ用のウィッフルボール(穴が開いた軽いボール)を打つぐらいだ。この練習は、腕を磨く上で大きな効果を発揮している。ありがたいことに、マスタード・ゴルフは、そうした練習の際のスイングも分析できる。さらに、実際のゴルフ練習所でも試してみたところ、どちらも同じ結果が得られた。 おおまかに言うと、筆者のしたことといえば、スイングする場所のうしろにスマートフォンを置き、小さな植木鉢にもたせかけただけだ。そうしてからカメラをオンにし、スイングする。