クリスマスローズ、どうしたら大きくなるの?大株栽培に関するみなさんからのお悩みに追加回答!
『趣味の園芸』2024年2月号の「めざせ100輪! 鉢で庭で大株に」でクリスマスローズを大株に育て、楽しむ方法を教えてくれた「おぎはら植物園」店長・荻原範雄さんに、誌面では掲載しきれなかったみなさんからのお悩みにさらに答えていただきました! みんなのクリスマスローズの写真 前半は、「貧弱...」「花は咲くけど大きくならない」、そんな株を大きく育てるための栽培法を中心に、4つのお悩みを解決します。
【お悩み1】株が貧弱で大きくならない
原種のニゲルを広葉樹の下で土をやや盛り土にし、水はけをよくして育てています。花が咲く年と咲かない年があり、株が大きくならず貧弱なままです。 福島県/アロバーさん(栽培歴約13年) 【植え場所を見直してみては】 ニゲルは標高2000m付近に多く自生する原種なので、高山性があり、暑さにやや弱いところがあります。栽培場所の向き不向きがありますので、植え場所を見直してみてはいかがでしょうか。植え場所としては、夏は半日陰など涼しい場所を好み、水はけがよく多湿にならない場所に向きます。ただし、あまりに養分が少なくやせた場所、強く乾きすぎる場所では株が貧弱になりやすいです。また、暖地では夏が暑すぎることや梅雨の影響で寿命が短くなり3~4年程度で株の体力がなくなり、枯れてしまうこともあります。 花つきについても高山性の影響で、その年の冬が十分に寒ければ花つきがよくなったり、暖冬の年は花つきが悪かったりすることもあります。最近は組織培養(メリクロン)技術の発達により、ニゲルの選抜種が比較的入手しやすくなってきたと思います。選抜種は性質が丈夫で年ごとの花つきにもばらつきが少ないものが多く、寿命も長いようなのでおすすめです。
【お悩み2】株が大きくなりません
たくさんふえてほしくて3年前に多数の株を買って植えましたが、大きくなりません。花は咲きますがひと株に2輪ほどです。 奈良県/蘭丸の母さん(栽培歴約3年)
【日陰すぎる場所に植えていませんか】 株の成長には植え場所が重要です。よくあるのは日陰すぎる場所に植えていること。クリスマスローズは日陰の植物というイメージがあります。でも実際は、「日陰でも耐えられる」というだけで、けっして日陰が大好きというわけではありません。本来は日なたを好みます。ただ、日本の夏の日ざしを考えて日陰に植えているだけなのです。理想は暑い季節に半日陰になり、他の時期はしっかりと日が当たる場所です。特に花芽分化がはじまる秋から冬はしっかりと日が当たるように、また花後の新葉が出る春の時期も日当たりがよいと成長が促進されます。極端なやせ地や乾燥地では成長が遅くなります。ただし、日陰すぎる場所、やせ地、乾燥地であってもクリスマスローズは徐々に環境に順応していく強い植物でもあります。その結果、調子は悪くないけど育たない、成長が遅いということに繋がることもあります。