「学校看護師」の育成・強化に着手、増加する“医療的ケア児”と家族のニーズに応える「保育所・学校に多様な医療ケアを安全に実施できる看護師が必要」 名古屋市立大学
学校で医療的ケアを行い、医療的ケア児の教育機会の確保・充実に貢献してきた「学校看護師」。なぜ、保育所や学校など身近な場所を拠点とする職業でありながら、“人材不足”が懸念されているのでしょうか。 大橋准教授はその理由について「多様な要因が存在する」と答えながらも、要因のひとつに「社会的認知度が低いこと」を挙げます。続けて、「地域の学校では医療的ケア児が少なく、1校につき学校看護師が1名といった配置も多い。看護師は自立して看護実践することが求められるといった勤務の形態も、看護師の継続的な勤務につながらない要因のひとつと考えられます」と、学校看護師の現状を明かしました。 2021年に施行された「医療的ケア児及びその家族に対する支援に関する法律」を機に、医療的ケア児が在籍する保育所、学校等に対する支援は、国・地方公共団体、保育所・学校設置者の“責務”として位置付けられた近年。 こうした現状を受けて、大橋准教授は「今後はますます地域の保育所・幼稚園・学校に通園通学したいという、医療的ケア児と家族のニーズは高まると予測されます。つまり、今後さらに学校看護師のニーズは高まると考えています」と、教育現場における学校看護師の必要性を述べました。 名古屋市立大学看護学研究科を起点に始まった新たな試み。同学では2026年、看護学部4年生を対象とした、保育所・学校にて看護実習を行う科目の新設も計画しているといいます。