iPhoneが「ChatGPT標準搭載」に進化…ところでアップルとOpenAI、どちらが相手にお金を払うのか?
これからのIT業界における各社の力関係
あるいは極端なケースとしては両者イーブン、つまりOpenAIもアップルもお互い相手にお金を払わないという可能性も考えられる。 仮にOpenAIがアップルにお金を払うにしても、これまでのグーグルが支払っていたような年間180億~200億ドルといった巨額の支払いになることは有り得ないだろう。 英フィナンシャルタイムズなどの報道によれば、そもそもOpenAIの2023年の収益(revenue)は約20億ドルと見られることから、グーグルと同様の大金をOpenAIがアップルに支払ってしまえば、それだけで同社の年間収益の何倍もが吹き飛んでしまう。 ここからは単なる筆者の憶測だが、仮にOpenAIがアップルに支払うとしても、恐らく最大で年間数百万ドルといったところではなかろうか。 もちろん、そんなことは私たち一般ユーザーにとってはどうでもいいことかもしれない。しかし生成AIを軸に生まれ変わろうとしているIT業界において、各社の力関係を推し測る上ではそれなりの意味があるのではないか、と思われる。
小林 雅一(作家・ジャーナリスト)