「あのちゃんねる」がテレ朝レギュラー復活! のらりくらりと番組が生き延びたワケ(鈴木旭/お笑い研究家)
歌手・タレントとして活躍するあのの冠番組「あのちゃんねる」(テレビ朝日系)が地上波レギュラーとして復活したのは先月末のこと。今年還暦を迎えた出川哲朗をゲストに招き、あのらしさ全開のスタートを切った。 【写真】あのちゃん、金髪に! 初回の企画は、あのが独自の視点でゲストの人生を紹介する「いまさらヒストリー」。ホワイトボードを使って出川の人生を振り返っていくのだが、小学校時代をすっ飛ばして話を進めたり、出川のトークを無視してマグネットシートを整理したりと、序盤からやりたい放題だ。 一方で、出川がリアクション芸を見せるコーナーでは、あのの率直な指摘が化学反応を起こす。出川がワサビ寿司を口に含んで「……バケツをください」とむせ返る中、あのは「絶対、この劇団SHA・LA・LAがつながってる」「演技してる」とチクリ。これに「演技じゃねぇよ!」と困惑しつつも笑みを浮かべる出川が妙におかしかった。 2020年10月、テレビ朝日の若手スタッフによるオムニバスバラエティー枠「バラバラ大作戦」内のひとつとして立ち上がった同番組。翌年9月に終了すると、CSでの不定期放送を挟んで2023年から同局の公式YouTubeチャンネル「動画、はじめてみました」で配信を開始し、地上波でも何度か特番が放送された。 ■唯一無二の個性 のらりくらりと番組が生き延びたのは、何よりも“あの”という唯一無二の個性があってのことだろう。 あのはアイドルグループ「ゆるめるモ!」に途中加入する形で2013年に芸能界入り(2019年9月、同グループを脱退)。アイドルらしからぬ激しいパフォーマンスでジワジワと注目を浴びていく。 2015年には、マイク片手に猟奇的な目で舌を出す写真が「橋本環奈が天使なら、彼女は悪魔だ!」とネット上で話題に。翌年、「ゴッドタン」(テレビ東京系)の企画「このアイドル知ってんのか?」の出演時にはBGMが流れるや否やマイクを握って絶叫し、おぎやはぎと劇団ひとりが座る長机へとダイブするなど強烈なインパクトを残した。 一方、「新shock感」(テレビ東京系)など南海キャンディーズ・山里亮太がMCを務める番組に長らく出演したことで一風変わったアイドルとして世間に認知され始め、活躍の場を広げていったあの。賛否を呼ぶ言動で注目されることも多い彼女だが、あくまでもマイペースに活動する姿が印象的だ。 今年5月に放送された「あのちゃんねる」(スナックあの)の中で、あのは「ファンの子が、僕が僕のままテレビ出たりとかでいろんな人に知ってもらったら誇り持てるかなぁって」と率直な思いを語っている。長年のファンへ向けた気持ちが、彼女のブレない姿勢をより強固なものにしたのだろう。 (お笑い研究家・鈴木旭) ◇ ◇ ◇ あのちゃんの彼氏と噂されるのが「霜降り明星」の粗品だ。●関連記事【もっと読む】粗品の連日“仲良しアピール”であのちゃんのタレント価値はどうなる? ラジオでも大絶賛!…では、2人が恋愛関係にあった場合、あのちゃんのタレント価値がどうなるかについて分析している。