なぜレッドブル・ホンダはメルセデスが得意なドイツGPを制して今季2勝目を挙げたのか?
レッドブル・ホンダが、第11戦ドイツGPを制し、今シーズン2勝目を挙げた。 前回オーストリアGPでのレッドブル・ホンダの勝因は、暑いコンディションの中、パワーユニットがオーバーヒート気味になってメルセデスが脱落したことと、レッドブルの車体がアップデートされて、フェラーリを上回る性能をレースで発揮したことだった。つまり、あの暑いコンディションの下で、レッドブル・ホンダのマシン性能が総合的に最も強かった結果だった。 では、ドイツGPはどうだったのか。舞台となったホッケンハイムリンクは最高速度が時速約324kmで、スロットルの全開率も約7割というパワーサーキットだ。そのため、ホッケンハイムリンクで開催された最近10年間のドイツGPは、フェラーリとメルセデスしか勝っていない。さらにF1がパワーユニット時代になった2014年からは、メルセデスが3連覇と独壇場となっていた(ドイツGPが隔年開催だったため、2015年と2017年は開催されていない)。 そのドイツGPの予選で、フェラーリが失態を犯した。パワーユニットのトラブルでセバスチャン・ベッテルはQ1で脱落。Q3に進んだチームメートのシャルル・ルクレールもQ3ではアタックすることができずに予選10位に終わった。ベッテルの予選Q1落ちは2017年の第15戦マレーシアGP以来、2シーズンぶりのことだった。 フェラーリの2台がいなくなったQ3のアタックで、レッドブル・ホンダはマックス・フェルスタッペンが2位を獲得し、メルセデス勢に割って入った。 そのホッケンハイムリンクに日曜日、雨が降った。濡れて滑りやすい路面では、エンジンはピークパワー(最高出力)よりもドライバビリティ(スムーズな出力による運転しやすさ)が重要となる。 ピークパワーではメルセデスやフェラーリに追いついていないホンダだが、ドライバビリティでは決して負けていなかった。昨年のトロロッソ・ホンダ時代、雨の予選となったハンガリーGPと日本GPではいずれも2台そろってトップ10に入っていた。