アサド政権崩壊 「生まれ変わったよう」 シリアにあふれる解放感
20年以上に及ぶ強権統治で知られたアサド政権が崩壊したシリアに13日、朝日新聞の記者が入った。国民の監視や抑圧の象徴だった最高権力者の写真は至る所で破られ、恐怖に支配されてきた町は解放感にあふれていた。 【写真】アサド政権が去ったシリアの今 この日はアサド政権の崩壊後、初の金曜礼拝があった。世界遺産に登録されている首都ダマスカス旧市街のウマイヤモスクは異様な熱気に包まれた。 戦闘服姿の男たちがモスクの内外で警備を固めるなか、詰めかけた数千人の礼拝客が「神は偉大なり。神は偉大なり」とあらん限りの声で叫んでいた。 モスクでの礼拝を終えたハイサム・ターリシュさん(19)は「アサド政権は不公正で、抑圧的な体制だった。政権が倒れた今、自分が生まれ変わったように感じる」と語った。 一方、アサド政権後の暫定政権を主導する「シャーム解放機構」(HTS)は米国や国連からイスラム過激派のテロ組織に指定されている。過去には拷問や処刑といった非人道的行為も人権団体などから報告されており、暫定政権が今後、どのような統治を進めるかが焦点となる。(ダマスカス=根本晃、其山史晃、其山史晃)
朝日新聞社