衆院選、あなたなら公約どうする? 「政党リニューアル」「休める世の中に!」 政治家への視線反映
「もしもあなたが立候補者だったら、どんな公約を掲げますか?」。衆院選に合わせ、長崎新聞の情報窓口「ナガサキポスト」のLINE(ライン)で意見を募ったところ、224人から多様な声が寄せられた。議員の定数削減や定年制導入、給与半減、全領収書の公開、世襲議員の出馬禁止…。自民党派閥の裏金事件に端を発した「政治とカネ」問題に絡み、厳しくなっている政治家への視線を反映した提案が目立った。 「政党をリニューアルする」。そう掲げた長崎市の男性会社員(40)は「凝り固まった組織票で若い世代の声がほとんど届かない」と感じている。「今の政党のいい部分と、国民の声をじかに届ける仕組みを合わせてリニューアルすることで、政党は国民の声を無視できなくなる」 同市の女性会社員(40)は「毎年決まった時期に公約の進捗(しんちょく)状況と達成率を公表する。民間であれば目標設定と達成状況の把握は必須」とした。 働き方に関する意見も多い。「休みたい時に休める世の中に!」と訴えるのは大村市の女性公務員(30)。子育て中や独身などあらゆる立場の人が「後ろ髪を引かれることなく」休みを取る権利があると主張し、「仕事の穴埋めをしてくれた人にはリフレッシュ休暇券を発行!」。 社会保険料の負担を避けるため、働く時間を抑える「年収の壁」の撤廃を示した佐世保市の女性パート従業員(58)は「どんなに時給が上がっても、働く時間を調整せざるを得ず、収入は増えない」。長崎市の男性会社役員(65)も「扶養枠をはみ出さないために出勤日数が減り、人手不足に陥る」と指摘し、「壁」の撤廃に同調する。 不妊治療経験者の諫早市の50代主婦は「治療費の資金援助」を約束する。資金面を理由に断念した夫婦は少なくないと実態を語り、「話題にしにくく、経験者しか苦労は分からない。子どもを望む人たちをせめて資金面だけでも楽にできれば」と寄り添った。 ユニークな“公約”も掲げられた。「バスを増便し、小中学生はバスでの登下校を推進します」。佐世保市の女性パート従業員(42)は、保護者の送迎による朝夕の渋滞緩和、保護者の勤務時間の延長などメリットを挙げ「暑さや荷物の重さで徒歩での登下校は厳しい」と現状を説明した。 政治への信頼を取り戻すには何が必要だろうか。長崎市の無職男性(72)は、シンプルで分かりやすい言葉を選んだ。「うそは絶対につきません!」 この他、消費税廃止による消費喚起、年金支給額の増額、核兵器禁止条約の批准、防衛のために自衛隊を増強などは複数が提示。西九州新幹線の全線フル規格化、石木ダムの建設中止といった本県の長年の懸案事項に関する言及もあった。