【漫画家に聞く】多様性の時代と言っても“酒浸りの魔法少女”は許される? SNS漫画『24歳現役魔法少女』が痛快
多様性が尊重される時代、「魔法少女」にもさまざまな個性があっていいだろう。けれど、それが仮に“酒浸り”でやる気のない成人女性だったら……。2月6日にXに投稿されたオリジナル漫画『24歳現役魔法少女』は、焼酎の入った特大ペットボトルを持ち歩く魔法少女・マジカルバニーの戦いを描いたギャグマンガだ。 酒浸りの魔法少女ってアリ? SNS漫画『24歳現役魔法少女』 本作を手がけたのは、『バクマン』(集英社)の影響を受け、高校1年生の時に「それくらいの時期から本格的に漫画を描き始めないとジャンプ作家になれない」と思い立ち、制作活動に励むようになったという19歳さん(@hachimakiuonora)。本作をどのように製作したのかなど、話を聞いた。(望月悠木) ■キッカケはプリキュアの大喜利? ――『24歳現役魔法少女』を制作した理由を教えてください。 19歳:某少年誌の担当編集さんとやり取りしていたのですが、連絡が取れなくなってしまいました。それから1年間ダラダラ生活していたのですが、「やっぱり他の雑誌で漫画家を目指そう!」と考えて「週刊少年チャンピオン」(秋田書店)の新人賞用に本作を制作しました。当時はデジタル作画に移行したタイミングで、イマイチ使い方がわからかったです。そのため、クオリティを上げる為の手間や工夫を一つも知らず、かえって無茶苦茶早く描けました。 ――なぜ“酒飲み魔法少女”を題材に? 19歳:『プリキュア』シリーズが影響しています。アイデア出しをする中で、「24歳で酒飲みのプリキュア、どんなの?」という大喜利を何個かやってストーカーや世界観を膨らませていきました。 ――マジカルバニーのビジュアルもプリキュアを参考にしたのですか? 19歳:いえ、モデルは特にありません。ただ、『ドラゴンクエストX』のアバターの装備品をいろいろ組み合わせながらビジュアルのイメージを練っていきました。結構便利です。 ――テンタクル男爵も何か参考にしながら描いたのですか? 19歳:なんとなく「パブリックイメージの敵キャラってこんなんだよな?」と思いながら作りました。ただ、ツッコミ役なので性格は常識人な感じにしています。 ――とにかくボケの手数が多かったですね。 19歳:思いついたボケを精査せずに全部ぶち込んでいるから、手数が多くなっているのだと思います! ――ちなみにボケの内容はどのような基準で決めているのですか? 19歳:特に基準などはないです。大体いつもページ数に対して、ボケのアイデアの数が定員割れしているので全員合格にしています。 ――「子育て世帯が金を持って無いのよ~」などメタ的なボケも面白かったです。こういったボケを考えている時間はとても楽しそうですが。 19歳:おっしゃる通りです。こういったボケを考えている時は、自分の中でかなりノリノリで楽しんでいると思います。 ――テンタクル男爵のツッコミが真っすぐだったことも良かったです。 19歳:テンタクル男爵に関することは正直ほとんど覚えていません。すいません!(笑) ――最後に何か伝えたいことなどあれば! 19歳:「別冊少年チャンピオン」(秋田書店)で連載中の『カンダタおねえさんの地獄スローライフ』の1巻が先日発売されました。Xで1話、2話、5話を公開中です! ぜひ読んでいただき、ご購入の検討をしてもらえると嬉しいです!
望月悠木