静岡学園が逆転で2連覇…FW大木悠羽が決勝弾…サッカー静岡県高校総体
◆サッカー◇静岡県高校総体 ▽男子決勝 静岡学園2-1藤枝東(2日・エコパ) 静岡学園が2―1で藤枝東に逆転勝ちして2連覇を飾った。静学は後半7分に先制を許したが、同24分のセットプレーでDF岩田琉唯(るい、3年)が同点ヘッド。さらに同29分にFW大木悠羽(ゆう、3年)が勝ち越し点を奪い、7月末から福島で行われる全国大会の切符をつかんだ。女子は藤枝順心が1―0で常葉大橘を下して12連覇を達成した。 静学がV2、そして1月の新人戦に続く県2冠を達成した。後半終了間際にCKを与えてしまい、藤枝東はGKも攻撃参加。それでも全員が体を張ってはね返すと、直後に試合終了の笛が鳴った。イレブンはハイタッチをかわし、笑顔で抱き合った。 苦しかった。前半のシュートは、ポストを直撃したFW加藤佑基(3年)のミドル1本だけ。藤枝東の激しい守備にあってチャンスをつくれなかった。逆に後半7分、DFの背中に当たって大きく浮き、GKの頭上を越える不運な1発で先制点を献上。「少し焦った」と大木は振り返った。 しかし、攻めるしかなくなり、全員の気持ちが前向きに切り替わった。前線からさらに激しいプレスをかけると、セットプレーから岩田のゴールで同点。そして同29分、MF天野太陽(3年)が高い位置でボールを奪い、逆サイドでフリーだった大木へパス。「絶対に浮かさない。枠に飛ばす」と、大木がGKとの1対1を狙い澄まして決めた。 2人とも悔しさを胸に秘めていた。岩田は足の負傷で新人戦はベンチ外。「この大会でやってやろうと思っていました」。大木もU―18プレミアリーグWESTで不調が続き、初戦の準々決勝は先発を外れていた。スタメンに復帰した準決勝では終盤にPKを決めており、これで2戦連発。大一番で復調した背番号9の姿に、川口修監督(50)も「うちのエースは大木です」と目を細めた。 川崎入りした昨年のFW神田奏真のような、飛び抜けた選手はいない。けが人も多いが、それでも勝ち抜いた。「伸びしろがあるということ。夏以降、面白いチームになる。全国でたくさん試合をして経験を積ませたい」と指揮官。大木も「全国で優勝を」と大暴れを誓っていた。(里見 祐司) 〇…藤枝東は後半7分にMF小池海人(3年)のミドル弾で先取点を奪ったが、結局シュートはこの1本だけ。6年ぶりの優勝を逃した小林公平監督(39)は「後半は推進力を持ってゴールを取ったところまではよかったんですが…。向こうのギアが上がり、後手後手に回った」と落胆の表情。静岡学園には昨年11月の県大会決勝でも同じスコアで敗れた。「死ぬ気でやらないと追いつけない」と、秋の県大会でのリベンジへ危機感を募らせた。
報知新聞社