「16連射のコツは震え」ゲーム好きじゃなかった高橋名人(64)「伝説」は会社の任命で始まった
高橋名人:私は親御さんたちも巻きこまなければいけない、と思っていました。子どもだけですぐ来られる会場もあれば、一家で車に乗ってこなければ来られない大型店で実施することもよくありました。 そうすると、子どもが「行きたい」と言えば、親がスケジュールをあけないといけないわけですよね。親を巻きこむとなると、1か月前くらいから余裕をもって開催日程をアナウンスしなければなりませんので、販促の動き方も変わります。
── 多くの場合、ファミコンソフト購入の最終的な決定者は大人ですものね。 高橋名人:そうです。子ども自身がソフトを選ぶ機会としては、「お年玉」「誕生日」「クリスマス」の年3回しかチャンスはありませんからね。プラスアルファは大人次第です。ですから、いかにゲームが子どもにとって健全さを保つか気を配っていました。 PROFILE 高橋名人 1982年にハドソン入社。ゲームの営業から開発まで様々な業務に携わるなか、1985年に「第1回全国ファミコンキャラバン大会」のイベントにて「名人」の称号を確立。以降、当時のファミコンブームを追い風に「ファミコン名人」としてTV・ラジオ・映画に出演。ゲーム機のコントローラのボタンを1秒間に16回押す「16連射(連打)」で有名。
取材・文/岡本聡子 写真提供/高橋名人
岡本聡子