西郷輝彦さん主演、3代目明智小五郎が怪奇事件に挑む「からくり人形の美女」の見どころを紹介<江戸川乱歩の美女シリーズ>
西郷輝彦さん主演、美保純共演で描かれる江戸川乱歩原作のサスペンスドラマ「からくり人形の美女」が、BS松竹東急(全国無料放送・BS260ch)で11月24日(日)昼3時から放送。本記事では、西郷輝彦さんが三代目として明智小五郎を演じた「江戸川乱歩の美女シリーズ」の第1作目であり、同シリーズ第32作目となる本作の見どころやストーリーを紹介していく。 【写真】海の近くでりんごをかじる美保純“倭文子”と母親の三条泰子“道子” ■美女たちの官能シーンや痛快アクションが満載の「江戸川乱歩の美女シリーズ」 第31作目までは、天知茂さんや北大路欣也らが演じる明智小五郎が抜群の推理力と華麗な変装で複雑怪奇な難事件を解決していく本シリーズ。 美青年が餌食になる“人間標本製造機”や人間を襲う“時計台の歯車”など、創意工夫を凝らした奇抜なセットがたびたび登場し、その精巧なつくりに感心させられる。また、ド派手なカーアクションや、ヘリコプターを使った手に汗握る脱出劇など、サスペンスドラマとは思えないような迫力満点のアクションシーンも見どころだ。 そして“大人向けの作品”として、毎話登場する美女たちの妖艶なシーンにも注目。由美かおる、片平なぎさ、萬田久子ら名だたる女優ふんする“美女役”の入浴シーンや、明智を雰囲気たっぷりに誘惑するシーンなど、思わず目が釘付けになる描写が散りばめられている。 今回の「からくり人形の美女」で美女役・柳倭文子(しずこ)を演じるのは、女優の美保純。「男はつらいよ」シリーズの桂あけみ役で一躍注目を浴びるようになった美保は、ドラマ「いちばんすきな花」(2023年)や「海に眠るダイヤモンド」(2024)などに出演し、現在も第一線で活躍し続ける実力派だ。 ■顔面が崩れた謎の怪人も出没…「からくり人形の美女」あらすじ あるレンタルビデオ店で、倭文子(美保)と名乗る女性と出会った明智小五郎(西郷さん)は、彼女から“母が私を殺そうとしている”と相談を持ち掛けられる。その後、高級クラブを経営している倭文子の母・道子(三条泰子)が、倭文子とクラブの関係者の男3人、三谷・園田・小川らを連れて伊豆へ出かける。男のうちの三谷と倭文子はお互いに気があるようだが、道子はそれに嫉妬し、あまり良く思っていない様子…。 昼食の時間になると、道子は倭文子にだけ効くという毒入りのリンゴの半分を差し出し、自らもその半分を口にするといい、「死んだら負けだよ」と“決闘”を仕掛ける。そして、同時にリンゴを口にしてたちまち苦しみ出したのは道子の方で、道子はそのまま崖から転落。ようやく発見された道子の遺体はかなり損傷が激しかった。鑑定の結果、道子の身体からは青酸カリが検出され、毒による死亡であることは間違いないとのこと。明智は、“ナイフの片面だけに毒が塗られていた”と推理し、男たちは“倭文子と三谷が共謀して道子を殺したのではないか”と倭文子に迫る。 東京に戻った明智は、道子亡き後の倭文子が経営するクラブを訪れる。倭文子に事務所へ案内されると、そこには道子がコレクションした多くの人形が並べられていた。倭文子がその中の人形を一つ操作すると、たちまち隠し金庫が現れる。倭文子から“助けてほしい”とせがまれた明智は、倭文子に緊急用の発信機を手渡し帰っていった。その後、男たちに事務所で“財産を分けろ”と詰め寄られた倭文子が発信機を鳴らすと、突然“道子の顔をした人形”が男たちに襲い掛かる。 明智が慌ててクラブへ戻ると男の一人は死亡しており、気を失った倭文子の顔には“道子のマスク”が被せられていた。そしてそこには、「生きても死んでも私に従え」というメッセージが…。その後も倭文子の周辺で奇怪な事件が続発する中、顔面が崩れた謎の怪人が出現し――。 ■西郷さんが明智小五郎を務める記念すべき第1作目 本作は、2代目の北大路欣也に代わり西郷さんが“3代目明智小五郎”を演じた記念すべき第1作目。ちなみに西郷さんが明智を演じたのは2作のみであるため、本作はそのうちの貴重な1作だ。 そんな本作では、明智を取り巻く設定がガラリと変わっている。明智はかなりの豪邸に住んでおり、明智が雇う執事も登場。その他にも、明智探偵事務所で助手として働いていた文代と小林少年は登場せず、その代わりに小林文代という、2人を合わせたような名前の弁護士が登場する。小林文代は明智に仕事を斡旋しており、女性に甘い明智を諭すような話し方は、前作までの文代とよく似ている。 また本作は江戸川乱歩の小説『吸血鬼』を原作としているが、実は本シリーズで『吸血鬼』が原作となるのは第1作の「氷柱の美女」に続き2回目。「氷柱の美女」では、“未亡人をめぐって2人の男が争っているうちに1人が死亡。未亡人は顔の焼けただれた怪人に捕らえられ氷柱に閉じ込められそうになる”という物語だった。“吸血鬼”をテーマにしているため、本作は「氷柱の美女」と共通点が多いのかと思いきや、事件もストーリー展開もまったく異なる内容に仕上がっている。