【最終予選に向け、左WBで新境地。中村敬斗が”森保ジャパン”にもたらす競争力(1)】アシストだけじゃない、3得点に絡む躍動……積極プレーで最終予選に「楽しみです」
ミャンマー戦で新システムの3-4-2-1の左ウイングバックとして躍動し、2得点を挙げた中村敬斗が、シリア戦でも同ポジションでスタメン出場で、上田綺世の先制ゴールをアシストするなど存在感を示した。 ■【動画】「中で待ってて欲しいと言っていた」と中村敬斗が振り返る、上田綺世の先制弾への華麗アシスト!■ 「試合前からもうあのクロスからの試合前から上田選手と話してて、クロス上げた。中で待ってて欲しいと言っていたんでそれが実って実現できて良かった」 アシストのシーンをそう振り返る中村。ミャンマー戦は右ウィングバックが菅原由勢で、攻撃では高い位置を取ることが多かったが、シリア戦は堂安律との組み合わせで、相手がロングボールを2トップに当ててくることが多く、自陣に下がりながらの守備も増えた。それでも攻撃では遠慮なく高いポジションに上がり、積極的な仕掛けでチャンスに絡んだ。 直接の数字に残るのは最初の1アシストだけだが、右の堂安による2点目もGK大迫敬介から展開されたボールを左外から、中央の久保建英に繋いだ中村のプレーが起点だった。そして3点目のオウンゴールは相手のロングボールを3バック左の町田浩樹がクリアすると、粘り強くボランチの遠藤航に繋いで、ゴールへの流れを導いた。 「2点目なんかうまく自陣のビルドアップで久保選手にパスを付けられて、そこから堂安選手が仕掛けてゴールっていう形で。3点目は、久保選手のパスがオウンゴールに。どんな形だったか覚えてないすけど…。 (町田選手がクリアしたセカンドを繋いだ?)あ、思い出しました。やっぱいろんな形で、いろんなバリエーションでゴールを取るというのはチームとして、すごく収穫だし、良かったと思います」
■後半にお役御免
その中村は前半だけで3-0とすると、4バックに変更した後半はお役御免となったが、二次予選のラスト2となった6月シリーズで最も評価を高めた選手であることは間違いないだろう。中村は「ミャンマー戦90分出た後でしたけど、自分的にミャンマー戦も手応えがあったので、今日の試合も出たいっていう気持ちがすごく強くて、スタメンに使ってもらえて、すごく僕自身嬉しいし感謝しています」と手応えを語る。 もちろん、二次予選でできたことが最終予選でもそのままできる訳ではないだろう。それに関しては中村も「このミャンマーとシリアを相手にできたという、あんまり過信じゃないですけど、そういう感じは持ちたくない」と前置きしながら、「最終予選、このシステムでやって自分がウイングバックをやった時に、相手がのレベルが上がった時にどうプレーできるかはまた、ちょっと楽しみです」と展望した。 そうした表情にも、確かな手応えが感じられるのは今回の代表活動だけでなく、フランスリーグでの経験や得てきた自信がベースにあるからだろう。 (取材・文/河治良幸) (後編へ続く)
サッカー批評編集部
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