娘、姉に続き父殺害容疑で3度目逮捕の夫婦 不審死の母も?親族連続殺人の闇 元刑事が解説
東京都台東区の夫婦が次女と夫の姉を殺害した疑いで逮捕された事件で、夫の父親にも不凍液に含まれる有害物質を摂取させて殺害した殺人容疑で、細谷健一容疑者(43)と妻志保容疑者(38)が再逮捕されたことを受け、元神奈川県警刑事で犯罪ジャーナリストの小川泰平氏は29日、デイリースポーツの取材に対して、事件の経緯や今後の捜査の行方を解説した。 【写真】次女と夫の姉を殺害した疑いで再逮捕された細谷志保容疑者 細谷夫婦は昨年3月に当時4歳だった次女の美輝(よしき)ちゃんを、2018年4月頃には健一被告の姉の細谷美奈子さん(当時41)を殺害したとして、今年2~3月に逮捕された。鑑定留置を経て、いずれも美奈子さんへの殺人罪で9月に起訴されている。 さらに健一被告の父である細谷勇さん(当時73)に対し、不凍液に含まれる有害物質「エチレングリコール」を摂取させ、18年6月5日に入院先の病院で敗血症により死亡させた疑いで3度目の逮捕となった。 小川氏は「次女と被告の姉殺害容疑で逮捕後、押収したスマートフォンの検索履歴から『エチレングリコール』といった薬物名が出てきた。実際に購入しており、病院に保存されていた勇さんの血液やカルテなどと照合し、3度目の逮捕に至った」と説明。勇さんの死亡後、健一容疑者はマンションや土地を相続していた。 夫婦に殺害された疑いがある親族は3人となったが、さらに被害者がいる可能性も浮上。小川氏は「健一被告の母親も18年1月に亡くなっています。父親と同様に『病死』とされていましたが、これまでの経緯から母の死因についても改めて調べていくことになるでしょう」と付け加えた。 今後の焦点について、小川氏は「私が注目しているのは、最初の逮捕となった次女殺害容疑の時に健一被告は『関与していません』という言い方をして、今回3度目の逮捕となった父親の殺害容疑について『今はお話しすることは出来ません』と答えていること。ということは、健一被告は何らかの事情を知っているということが言える。そのあたりをこれから追求していくことになる。志保被告はいずれも黙秘です。さらに、18年1月に亡くなっている母親の“不審死”に関しても警察の捜査が進められるでしょう」と解説した。