計量オーバー頻発に東日本ボクシング協会罰則強化提案 JBCは来月、医事講習会開催
東日本ボクシング協会は21日、都内で理事会を開催。計量失格が相次いでおり、協会として対策をとる方針を明らかにした。小林昭司協会長は「6か月のペナルティーはおかしい。最低でも1年は資格停止という声も出た」と罰則強化を日本ボクシングコミッション(JBC)に訴えていくことになる。 アマ13冠の前東洋太平洋フェザー級(57・1キロ以下)王者・堤駿斗(志成)が先月16日の前日計量で1・55キロ体重超過。今月14日にも日本同級1位・木村蓮太朗(駿河男児)が前日計量で1・5キロの上限超過。対戦相手のジェスレイ・ワミナル(フィリピン)も300グラムオーバーした。どちらも、当日計量で制限体重内に収まったため試合は開催されたが、問題になっていた。他にも関西や名古屋の興行で体重超過があり、試合が中止になった例も出ている。 罰則は現在、ほとんどが選手の6か月のライセンス停止処分とジムのマネジャーなどへの戒告処分。この日の理事会では「6か月の資格停止ではペナルティーにならない」「ランキングは預かりでなくすぐに外すべき」などの意見が出された。アマチュアボクシング出身選手が上限超過する例が多く見られることも懸案事項となった。 世界的にも19日(日本時間20日)に米ニューヨークで行われたWBC世界スーパーライト級(63・5キロ以下)級タイトルマッチの前日計量で、元WBC世界ライト級(61・2キロ以下)暫定王者で挑戦者のライアン・ガルシア(米国)が計量台の上でビールをがぶ飲み。63・5キロのリミットを1・45キロ大幅超過した。 減量失敗の要因にもなっている1、2日での水抜きによる4、5キロの減量方法も問題視。セレス小林のリングネームで世界王者となった小林会長は「わたしは37戦で一度も計量オーバーはない。2日で5、6キロ落とすのは考えられない。1か月以上かけてコントロールしていた」と危機感を口にする。東日本ボクシング協会で独自に講習会を行うことも検討されていたが、6月にJBCが専門医などによる医事講習会を選手やトレーナーのために行うことが決定した。 また、この日の理事会では廃業するジムから協会が権利を購入したことを発表。プロ育成ジムの開設にはいくつかの条件があり、資格がないままジムを買い取ることなどを防ぐための措置。すでに4つのジムから申請があり、権利を買い取ったという。協会が審査した上で、条件を満たせば権利を売り渡すシステムを構築する。
報知新聞社