ミュージカル『ミセン』稽古場レポート
ミュージカル主演・前田公輝が『ミセン』で一流商社のインターン生として奮闘!
ドラマ化もされ大ヒットを記録した韓国のWEB漫画を原作としたミュージカル『ミセン』の稽古の模様が報道陣に公開され、主演の前田公輝をはじめ、橋本じゅん、清水くるみ、内海啓貴、糸川耀士郎、中井智彦、あべこうじ、東山光明、石川禅、安蘭けいらキャスト陣たちがパフォーマンスを披露した。 【全ての写真】ミュージカル『ミセン』稽古場より ドラマ版が韓国で社会現象を巻き起こし、日本でも高い人気を誇っている本作。囲碁のプロを目指すも挫折し、一流商社の「ワン・インターナショナル」のインターンシップに参加したチャン・グレ(前田)が、社会人経験はないものの、囲碁で培った経験や戦略的思考を応用して成長していくさまを描く。 最初に披露されたのはオープニングナンバーの「ワン・インターナショナル」。チャン・グレらインターン生たちが不安を抱えながらも夢への一歩を踏み出すさまを描いており、冒頭、まだスーツがサマになっていないチャン・グレがポツンと舞台に登場し、続いて活気あふれるオフィスで働く人々が登場。チャン・グレ、アン・ヨンイ(清水)、ハン・ソギュル(内海)、チャン・ベッキ(糸川)の4人のインターン生たちが、自分たちの“居場所”を見つけるべく新しい世界へと足を踏み出していく。 続いての「おはよう、チャン・グレ」では、インターンから正社員に採用されるための試験のプレゼンのペア探しの様子が描かれる。多くのインターン生は、自分をより優秀に見せるために、“引き立て役”としてスキルも経験もないチャン・グレとペアを組もうとするが、チャン・グレが選んだのは……? チャン・グレが、本作のキーアイテムのひとつである社員証をピッと機械に読み込ませるところから始まり、歌はもちろん、キレのあるダンスやアクロバティックなパフォーマンスも見どころのシーンとなっている。 この他、4人のインターン生が偶然、居合わせた居酒屋で酒を酌み交わすことで次第に打ち解けていくさまを描く「君を慰める夜」、工場で働くハン・ソギュルとオフィスのみで働き現場での経験がないチャン・グレがそれぞれの意見を戦わせつつ、互いを認め合っていくさまを描く「それぞれの戦い」など登場人物たちの成長や関係性の変化が歌とダンスを通じて見えてくる。 また、男尊女卑の傾向が強い部署に配属されたアン・ヨンイが男性の先輩社員からきつく当たられ、理想と現実のギャップに苦しむが、ソン・ジヨン次長(安蘭)や先輩の女性社員たちがそんな彼女を励ますナンバー「給湯室で」など、オフィスという戦場でたくましく生き抜く女性たちを称えるナンバーも。 稽古場は明るい雰囲気に包まれており、韓国人演出家のオ・ルピナが通訳を介して各シーンで気づいた点や修正点を伝えると、あべこうじが「カムサハムニダ!」と叫び、盛り上げるなど、笑いが絶えない。 ミュージカル初主演を務める前田は「希望や幸せを見いだせる作品です。いまの世の中、一歩を踏み出すこと簡単なことじゃないけど、信念を持ちながら、囲碁でいうところの“一手”ずつ進むことで幸せを掴むことができるというメッセージを大切に演じたいと思います」と意気込みを語る。 もともと、ドラマ版の大ファンだったという清水は「ドラマのファンの私から見ても、満足する作品になっていると思います。働く人にはきっと響く、心に寄り添うミュージカルになっていると思います」とアピール。糸川も「性別、年齢を問わず、ひとりひとりに『わかる』と刺さる部分が必ずある作品になっている」と語り、内海も「ルピナさんが『一人ではない』がこの作品のテーマだとおっしゃっていて、見終わって、友達や家族、恋人と連絡してみようと思えるような心温まる作品届けていきたい」と語った。 安蘭はソン次長とチャン・グレの母親という二役を務めるが「二役とも若い人を支える、包容力がある女性で、私にぴったり……笑うところですよ!」と笑いを誘いつつ、演出のオ・ルピナがあるシーンで演出しながら涙を流していたことを明かし「温かく、愛情を持って演出をしてくださって、良い作品になるなと思っています」と語っていた。 取材・文・黒豆直樹 <公演情報> ミュージカル『ミセン』 <大阪公演> プレビュー公演:2025年1月10日(金) 本公演期間:2025年1月11日(土)~14日(火) 会場:新歌舞伎座 <愛知公演> 公演期間:2025年2月1日(土)・2日(日) 会場:愛知県芸術劇場大ホール <東京公演> 公演期間:22025年2月6日(木)~2月11日(火・祝) 会場:めぐろパーシモンホール 大ホール