【センバツ4強戦力分析】昨夏の甲子園初戦敗退で「守備の星稜」へモデルチェンジ! 悲願の甲子園優勝へのカギは3,4番の復活!
第96回選抜高等学校野球大会も30日に準決勝、31日に決勝戦が行われる。 昨秋、明治神宮大会王者の星稜は1995年、2019年には夏の甲子園で準優勝経験があるものの、意外にもセンバツでベスト4は初めて。悲願の甲子園優勝のために昨年とは大きくチームカラーを変えてきた。 【一覧】星稜のベンチ入り選手
データ・勝ち上がり
チーム打率.244 総得点 12 総失点 4 1回戦 田辺 4-2 2回戦 八戸学院光星 3-2 準々決勝 阿南光 5-0
強打の星稜ではなく、守備の星稜
近年の星稜といえば、打ち勝つ野球を目指してきた。2018年出場時は石川大会決勝戦で1試合7本塁打を記録。2019年には内山 壮真内野手(ヤクルト)を中心に強打で投手陣を援護するチームスタイルだった。今年も萩原 獅士内野手(3年)、芦硲 晃太外野手(3年)と神宮大会で本塁打を打った選手はいるが、甲子園の試合を見ると強打というよりも、安定した試合運びが光る。 カバーリングや野手同士への声かけを積極的に行うなど、事前準備がしっかりしている。神宮大会と比べると、かなり緻密になっている。そのキーマンが、セカンドの中谷 羽玖内野手(3年)。俊敏な動きだけではなく、内野手とのやり取りが中谷がメインになって行われている。きっかけは昨夏の甲子園・創成館戦で、3失策を喫し、3-6で敗れたことだという 「あの試合はベンチから『何やっているんだろう』…と思いながら見ていました。甲子園になると慌ててしまって、自分たちのプレーができない。新チームでは常に声をかけたりして、守備の準備をしっかりしたいと思いました」(中谷) センバツでは3試合、27イニングでわずか2失策。特に2回戦で好投手・洗平 比呂投手(3年)擁する八戸学院光星に3対2で1点差で勝利した試合は、秋に比べて強さを実感させられた試合だった。ショートを守る吉田 大吾内野手は中谷を全面的に信頼している。 「今年の守備の連係は中谷がいないと成り立たないぐらい大きな存在です」 また、強肩捕手・能美 誠也(2年)も投手の持ち味を引き出すインサイドワークが光り、ここまで3試合でわずか4失点。強肩で盗塁阻止するシーンもあった。守備で簡単な失点を与えないのが今年の星稜の強みだ。