互いにリスペクトと感謝…名古屋・ランゲラックと稲垣祥の絆の深さ グランパスで紡ぐ最終章、どんな結末がまっているのか
◇記者コラム「Free Talking」 応援するチームの選手同士の仲は、サポーターはもちろんだろうが、記者も気になる。ときにこちらから質問をぶつけるときもあるが、あえて聞かずとも選手の口から名前が聞かれたとき、仲の深さをより一層感じることになる。最近の名古屋グランパスでいえば、GKランゲラック(36)と、MF稲垣祥(32)の2人がそうだった。 グランパスは準決勝で横浜Mに勝利し、ルヴァン杯の決勝進出を決めた。初制覇した2021年以来3大会ぶりだが、その決勝の舞台で出場し、今もグランパスに在籍するのは、ランゲラックのほかにもう1人しかいない。同大会のMVPを獲得し、ボランチとして「名古屋の心臓」の異名もとった稲垣だ。 準決勝の前に、稲垣にルヴァン杯制覇への思いを聞くと返ってきたのが「最後にミッチ(ランゲラック)をいい送り出し方にしたい」という言葉。さらに「間違いなく自分自身はチームの中でもミッチへの感謝や尊敬は、人一倍強い」とも言い切った。 一方、決勝進出を決めた試合後、ランゲラックも「特に稲垣はとても強く、素晴らしい形でチームを引っ張ってくれた」と感謝した。記者の質問は「準々決勝後、勝てばサポーターの前でプレーできる試合が増えると言っていたが、有言実行になった」というもので、稲垣には全く触れていなかったのに、だ。 ランゲラックは「稲垣は、Jリーグで見本となるような選手。練習、準備、試合と全てをひっくるめて、見本になるし、大好きな選手」とも説明した。 20年に稲垣が加入し、ともにプレーして5年目。グランパスでつむぐ最終章に、どんな結末がまっているのか。11月2日の国立競技場での決勝が楽しみだ。(サッカー担当・林修史)
中日スポーツ