エアコン、冷蔵庫が大本命?節約志向の年末商戦、白物家電は高単価な商品も結構売れている?
ビックカメラ有楽町店では、ダイソンやパナソニックなど主力メーカーのドライヤーがずらりと並び、3万~5万円の高単価な商品が目立っていた。パナソニックの「ナノケア」をはじめ、髪に潤いを与えることや、速乾、髪をからまりづらくするなど、豊富な機能を持つ商品が多い。 1万円以下の安めのモデルから5万円以上の上位モデルへ買い換える例や、ギフトとして購入する客も多いという。 訪日客向けの商材も重要だ。2024年の訪日客数は過去最高を記録している。家電量販店の中でもヨドバシカメラやビックカメラなど、ターミナル駅周辺の店舗にとっては追い風になっている。
かつては「爆買い」の光景も見られたが、今は家電だけでなく、特定の商品を狙って訪れる客も多い。ビックカメラの場合、ジャパニーズウイスキーなどの酒類や化粧品、サプリ、アニメキャラクターの玩具も売れている。 また、ミラーレスカメラも根強い人気がある。ビックカメラではニコンとキヤノンも売れ筋だが、それ以上に富士フイルムのミラーレスカメラは店舗の在庫を切らすほど売れているという。 ■年始、春節、新生活セールと続くが…
前述の理美容家電も訪日客にとって重要な商品群の1つ。美顔器やローラー、ブラシなどフェイスケアの商品をネットで調べ、日系メーカーの機種を指名買いするケースもあるという。一部では「メイドインジャパン」と札を立てて、日本製の品質をアピールする店舗もある。 年末商戦の直後には年始のセールが控える。中国の旧正月「春節」の訪日客需要、3~4月の新生活関連と商戦は続く。移り変わる消費者ニーズを反映した売り場づくりが、各社の腕の見せどころだ。
井上 沙耶 :東洋経済 記者