原点回帰で次世代への糸口を 通天閣・西上雅章社長に聞く
「通天閣色」出したまま様々な事業展開したい
そして、今年は耐震構造だった通天閣を「免震」に変え、しかも営業を続けたままでそれを行うという世界初の工事実行を決断した。 「もちろん今までの耐震のままでも大丈夫とされていましたが、今後発生すると思われる南海トラフ巨大地震に備えて免震にしました。これでお客様にもさらに安心して来て頂けるかなと。地元の皆様の協力もあって、ここまでできました。足腰が強くなりましたんで、これからも頑張らな思います」と工事を振り返る。 だが、雅章さんの目標はまだまだある。「おかげさまで経営も安定してきました。次に通天閣を大事にせなあかんというのは、いろいろ考えてます。おみやげ業界やホテル業に進出するとか。ただ、どんな形であれ通天閣色を出し、いろんな方々の知恵を借りながら、より業績を上げる努力をしていかなあきませんね」
エントランス吹き抜け復刻お披露目 原点回帰へ
きょう3日に通天閣下のエントランス部分に、初代通天閣にあったという「エントランス吹き抜け大天井」をライトアップで復刻する。 「初代にあったものを復刻するんですが、これを機に『赤ちゃんに戻る・原点に戻る』という意味もあります。次のステップへ歩み出す時期が来てると思いますんで。次世代の子にも任していく糸口的なことをこれからはやっていきたいですね」 大阪のシンボル通天閣を引っ張る名物社長の頭の中は「次なるステップ」のことでいっぱいだ。眺望としての役目は終わったというが「大阪のシンボル」という役目は、永遠に終わらないだろう。59年の通天閣の歴史を続けていくため、きょうも様々なアイデアを打ち出し、実行につなげていく。