常備薬として「カロナール」がどうしても欲しいのですが、処方箋に書かれていない薬を書き加えるのはNGですか?
昨今、特定の薬を入手するために処方箋の変造や偽造を行い、処方箋に記載されていない薬を不正に入手しようとする人が増えているようです。 このことを問題と捉えて注意喚起を行う行政も多く、医療現場でも度々問題になっています。 そこで、本記事では処方箋に対する変造や偽造について解説します。変造や偽造の対象になる薬はさまざまですが、カロナールのような一般家庭で常備薬として利用されるものも含まれます。
処方箋の変造や偽造は違法行為
変造とは、一度正しく作成された文書を、作成や変更の権限を持たない者、いわゆる一般の消費者などが記載内容を変更することを指します。つまり、処方箋に記載されていない薬を勝手に書き加える行為は、処方箋の変造に該当するというわけです。 加えて、作成や変更の権限を持たない一般人が処方箋を作成する行為は偽造にあたります。処方箋の変造や偽造は違法行為に該当し、罰則の対象になります。処方箋の変造や偽造に該当する、具体的な行為は以下の通りです。 ・コピー機やスキャナーなどを使用した処方箋の複製 ・無資格者による処方箋の作成 ・処方箋に記載されている薬の用法や用量などを変更する ・処方箋に記載がない薬を加筆する 処方箋の作成はもちろん、勝手に内容を変更する行為も総じて違法行為に該当します。
処方箋の変造や偽造により、受ける罰則
処方箋を勝手に書き加えて作成する行為、いわゆる変造や偽造は違法行為にあたるため、発覚した場合には相応の罰則があります。処方箋の変造や偽造による、具体的な罰則は以下の通りです。 ・詐欺:10年以下の懲役 ・私文書偽造および同行使(未遂を含む):3ヶ月以上5年以下の懲役 ・麻薬処方箋の偽造、変造:1年以下の懲役もしくは20万円以下の罰金 ・向精神薬処方箋の偽造、変造:20万円以下の罰金 どの法律に違反するかも含めて、最終的な罰則内容は実際の状況で異なりますが、どれも決して軽い罰則ではありません。違法行為自体が許されないことはもちろん、軽はずみな行動が窮地に立たされてしまう危険性をはらんでいることは理解しておくべきです。