「仕方ないでは済まされない」阪神4つの敗因と深刻な問題を里崎氏が指摘
4つ目は、メッセンジャーと審判の相性の悪さだ。 「メッセは、この日、審判との相性が悪かった。クロス気味のいいボールをすべてボールにとられた。厳しいジャッジだったが、ここまで相性が悪いと、立ち上がりがよくても、徐々にコントロールに苦しみ、リズムがつかみにくくなってしまうものだ。審判に振り回されず、そのあたりの切り替えが必要だった」 キャッチャー出身の里崎氏ならではの目線だが、メッセンジャーの調子自体は、当初、そこまで悪くなかったが、審判との相性の悪さに悩まされ、徐々にボールが先行するようになった。ここも梅野やベンチがメッセンジャーのメンタルと審判の癖をいち早く察知して、フォローすべきポイントだった。 里崎氏は、さらに打線不振の理由のひとつに糸井、福留の両ベテランの問題点を指摘した。 「糸井がまったくと言っていいほど振れていない。技術的な問題ではなく、体にキレが見られない。福留も本来のスイングには程遠い。疲れが見える。それらの原因は、疲労の蓄積なのか、どこか故障を我慢してプレーしているためのか。私にはそこがわからないのでいい加減なことは言えないが、年齢から考えると、明日いきなり改善するというような問題ではない。休ませて調子が戻るなら休ませるべきだし、原因をしっかりと掘り起こして対策を練る必要があるだろう。まだシーズンは半分あるのだから」 この5試合、糸井は打率.294ながら打点は「1」、福留も打率.235で打点は「1」。あと1本が出ない打線の象徴が、このベテラン2人なのである。 球宴明けから新外国人のジェイソン・ロジャースと、2軍で順調にステップアップしている西岡剛らが1軍合流してくる予定。彼らと、この両ベテランを休ませながら、うまく併用するプランをしっかりと練りこまなければ、チームは得点力を取り戻せない危険性がある。 (文責・本郷陽一/論スポ、スポーツタイムズ通信社)